自分自身の育て方

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これからの時代には、多様なステージで経験を磨く“越境型キャリア”がより歓迎されるようになる。そんな話を前回のコラムではお伝えした。

「やってみたい」と興味を持てるテーマに出会ったら、迷わずチャレンジしたらいい。挑戦に年齢に関係はないが、20代・30代の若い人たちにはなおさら強調したいと思う。しかしながら、これまでの経験とまったく異なる分野へ飛び出そうとした時には、応援してくれる人ばかりではないだろう。

「一つのことをしっかりやり抜いたほうがいいんじゃないの?」
 「飽きっぽい性格なんだね」
 「君って結局、何がやりたいの?」

面と向かって直接言われなくても、誰かが自分のことを悪く言う声が聞こえてくるかもしれない。残念ながら、チャレンジには批判が付きものなのだ。でも、屈することはない。どんどん進んでいい。そういった批判はすべて“越境型キャリア”を選択した自分への応援歌だと、脳内転換するくらいの気持ちでいてほしい。

変わろうとする人を批判する気持ちのほとんどは、「嫉妬」ではないかと私は考えている。自分にはできないチャレンジをする人を羨ましく思う。その人を批判しなければ、自分の存在を自分で認められない。

羨望と自己肯定をしたい気持ちが、トゲのある言葉に変わっているだけなのだと理解すれば、うまく聞き流せる。むしろ、「他人に理解されないほど、新しい領域に踏み出そうとしているのか」と気持ちを切り替えて、新たな自分の挑戦に誇りを感じてもいいのではないだろうか。

「何がやりたいの?」と問われて答えに窮したら、「そうですね。自分でも何がやりたいのか、よく分からないですね」と正直に言ってしまえばいい。それが素直な答えであると思うし、「自分でもよく分からない」くらいのキャリアの歩み方のほうが、これからの時代は価値が高まると私は予測している。だから、堂々と「よく分かりません」と言っていい。

私自身も、シンクタンクから大学のラグビー部監督、さらにコーチ育成をしながら企業研修も開発するという、未経験領域を好んで進んできたタイプであり、最近はもうすっかり腹が座っている。仮に「中竹さんは何がしたいんですか?」とでも言われたら、その言葉すらも“最高の褒め言葉”だと受け止めるだろう。

文=中竹竜二 構成=宮本恵理子

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