アップル、水深50メートル対応の「水中カメラ」開発か

Karlis Dambrans / shutterstock.com

アップル製品に関する様々な動画を公開するユーチューブチャンネル、「EverythingApplePro」は先日、2019年に発売の新型iPhoneが、水中でのタッチ操作に対応し、水中写真の撮影が可能になる可能性を指摘した。

そして3月28日に公開されたアップルの特許資料で、同社が水中での画質向上をもらすカメラ技術を開発中であることが判明した。「イメージング能力を持つ潜水型電子デバイス(Submersible Electronic Devices With Imaging Capabilities)」と題された、この特許で提示されたのは、単に水中で動作するカメラではなく、水中でも高画質な撮影を可能にするテクノロジーだ。

水中での撮影にあたっては、地上とは違う光のバランスに配慮したイメージ処理が必要になる。アップルの「潜水型電子デバイス」では特許資料によると、複数のセンサーが水中の光の状態を検知し、適切なコントラストやカラーバランスの調整を行うという。

これらのセンサーには周囲の色を判別するカラーセンサーや、水深の深さを検知する深度センサーが含まれている。また、カメラにはセンサーが光量を測定するための、光放出モジュールも組み合わされるようだ。

これにより水中での被写体との距離やアングルを読み取り、適切なカラーバランスを実現する。また、水中写真では、青や緑が強くなる場合があるが、赤色を加えることでそれらの色の干渉を抑えるという。

今回の特許はアップルが今後のiPhoneに、水中撮影機能を持たせようとしている可能性を示している。しかし、ここに示されたテクノロジーは時計型デバイスやヘッドフォン、スマートグラスなど幅広い製品に応用可能だ。

iPhoneの最新シリーズはIP68の防水基準(深さ2メートルまで、最長30分間)に適合している。しかし、今回の特許資料は、それよりもはるかに深い水深約50メートルでの利用にも言及している。

水深50メートルというのは、アクションカメラメーカーGoProの「Hero7 Black」が対応する水深の約5倍に及ぶ。アップルがこれほど高度な水中撮影機能を、iPhoneに搭載する兆候は見られないが、同社が将来的にこの技術の採用を視野に入れていることだけは、確かなようだ。

編集=上田裕資

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