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リフト上場の様子。中央で拍手する共同創業者のジョン・ジマーとローガン・グリーン。(Photo by Mario Tama/Getty Images)

米配車サービス大手の「リフト(Lyft)」はウーバーに次いで、業界2位のポジションとされている。しかし、リフトはウーバーに先行して株式市場にデビューを果たした。

3月29日、リフトは米ナスダック証券取引所に上場。初値は87.24ドルとなり、公募売り出し価格の72ドルを21%上回った。当日の終値は78.29ドルまで下げたが、それでもなお公募価格から9%近い上昇となっている。

29日の終値ベースのリフトの時価総額は約220億ドル(2.4兆円)となった。上場前の同社の企業価値は151億ドルだった。

しかし、リフトのIPOは他のスタートアップの上場のように、ビリオネアを生んでいない。同社CEOのローガン・グリーンの持ち株の資産価値は、上場時点で制限付き株(RSU)も含め7億ドル相当と推定された。プレジデントのジョン・ジマーの保有分もRSUを含めて5億1000万ドル程度だった。

フォーブスは2名の創業者の持ち株のシェアが合計で5%以下と推定している。29日の株価の上昇により、グリーンの資産額は7億6000万ドルに、ジマーの資産額は5億5000万ドルまで増えた。しかし、リフトの株式でGreenの資産が10億ドルを超えるためには、株価が103ドル以上(IPO価格から43%の上昇)になる必要がある。

創業者の持ち株の少なさは、リフトが上場以前に累計50億ドルの資金を調達する中で、彼らが持ち分を放出してきた結果だ。

対照的にウーバー創業者のトラビス・カラニックは、ソフトバンクから巨額の資金を調達するまで、一切の持ち株を売らない強欲さで知られてきた。その結果、現在ウーバー株の約7%を保有するカラニックの資産額は、58億ドルに達している。

しかし、リフト創業者の2名は持ち株を減らしつつも、会社の支配権は維持している。IPOに際しリフトは同社株の構造をデュアル方式にし、上場後も創業者らの議決権を合計48.76%に保っている。

一方、今回のリフト上場で巨額の含み益をあげた外部の投資家らもいる。リフトの筆頭株主は日本のEコマース企業の楽天だ。楽天の持ち株比率は13%に達し、フォーブスの試算で楽天は今回の上場で、22億ドル以上の含み益を得たことになる。

楽天に次いで持ち株が多いのはアンドリーセン・ホロウィッツで、同社はリフトの株式5%を保有している。

今回のリフトの上場は、米国の富豪ファミリーの資産を増やすこともつながった。リフトのCEOのグリーンは、米国の航空業界出身の富豪、ルイス・ゴンダの娘のエヴァを妻に持つ。2018年にゴンダ家はリフトに300万ドルを一株39ドルで出資しており、現在の持ち株の資産価値は500万ドル以上となった。

リフトのIPOはビリオネアこそ生み出さなかったものの、推定で6000名の新たなミリオネアを送り出すことになった。

編集=上田裕資

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