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花見客で賑わう中目黒・目黒川沿いの様子(shutterstock.com)

国内外で評判の高い日本の桜。関西大学が昨年3月に発表したリリースによると、宮本勝浩名誉教授の調査で、日本全体のお花見の経済効果は約2カ月で6500億円に及ぶことがわかった。桜の木の下にビニールシートを広げ、酒を酌み交わして花を眺める、というのが従来の一般的なお花見の姿だった。しかし近年、その姿は変容しつつある。

若年層を中心に、準備の面倒さや混雑、悪天候を回避して「手軽に」お花見を楽しみたい人が増えているのだ。それに伴い、このような人々をターゲットにした周辺ビジネスが盛り上がりを見せている。

屋外では「手軽に」がキーワード

お花見を「手軽に」楽しむのに有用なサービスとして、2017年に発足された「ecbo cloak」がある。これは店舗などの空きスペースを登録し、荷物置き場として貸し出して有効活用することのできるサービスだ。

利用者は事前に訪れる地域周辺のスペースを検索・予約しておくことで、当日簡単に荷物を預けることができる。このサービスはこれを利用すれば、花見のために持ってきた大荷物の置き場に困ることなく、安心してお花見を楽しむことができる。ecbo cloakによれば、花見シーズンの予約の数は、通常時と比べて3倍にも達した。

そもそも「手ぶらで」お花見することも容易になってきている。近年話題のフードデリバリーサービス「Uber Eats」は、SNSの公式アカウントをフォロー&「リツイート」(または「いいね!」)することで、プロモーションコードやピクニックセットが当たる「#手ぶらで花見」キャンペーンを展開している。

また、上野公園をはじめとする4つのお花見スポットにて、サービス利用者に先着順でオリジナルのレジャーシートを配るキャンペーンも行う予定。お花見をきっかけとして新規の顧客層を獲得する狙いだ。



室内で「簡易的に」楽しむ人々も

さて、お花見は外で行うのが通例だが、悪天候の場合や花粉症持ち、場所取りなどには毎年悩まされるもの。これらを回避するために、「インドアで」お花見を楽しむ人々も登場している。

それに伴って、桜の名所の近くに店を構えるレストランがこの時期人気を集めているほか、外苑前「天ぷら 元吉」のように店内に桜を堂々と雅やかに飾り付けるなどの工夫をするお店もある。

また「エア花見」と称して、オフィスや家のデジタル画面やプロジェクターに桜を映し、サクラモチーフの食器に食べ物やお酒を用意してお花見気分に浸る、という型破りな人々も現れた。これに乗じて「エア花見」サービスを提供するレンタルスペース業者も続々と登場している。レンタルスペースサービスを展開する「スペースマーケット」によれば、「エア花見」「インドア花見」関連の2018年の予約は同月の前年対比で10倍以上にのぼるという大盛況ぶりだ。

このように、オリンピック級の経済効果を持つ、日本特有の文化である「お花見」。その背景には、多種多様に進化を遂げるお花見の姿と、そのニーズに応えようという企業やサービスの努力が見られる。今後も増大を続けるとみられる“サクラノミクス”から目を離せない。

文=田山 礼真 写真=shutterstock.com

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