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個人消費の低迷で小売ブランドが影響を被っている。そんなニュースを、毎日のように耳にしている気がする。

ブランドは、スペクトラムの両端、つまり、トップか末尾かのどちらかであるべきであり、その中間はない。それが長年の社会通念だと私たちは考えてきた。

ゆえに、市場の頂点という立場を確固たるものにしていたプラダが、3月15日に2018年度通期決算報告を発表したときにはいささかの衝撃があった。なかでもさらに衝撃だったのは、同社株価が3月18日に急落し、時価総額が8億5000万ドル(約940億円)も消え飛んだことだ。

香港証券取引所に上場しているプラダの株は3月18日、11%下落し、終値は2016年以来の最低水準となった。ひとつ、確実なことがある。これまでは個人消費の気まぐれな動向にほとんど動じてこなかったラグジュアリ・セクター全体に、身を切るような冷たい風が吹き抜けたということだ。

香港証券取引所に上場しているプラダは、アジア市場における低迷は主に、香港とマカオを訪れる中国人観光客が、人民元安を理由に支出を抑えている点に起因しているとみている。

「私たちは、戦略的リニューアルの新たな段階に差しかかっている。わが社の歴史に対する敬意を基盤に、グループの未来を生み出そうとしている」とプラダグループ最高経営責任者(CEO)のパトリッツィオ・ベルテッリは述べた。

中国はこれまで、高級市場を下支えしてきた。そのため、現在のような消費低迷は、高級ブランド業界にとって重大な影響をもたらしかねない。中国経済は減速し、経済成長率がおよそ30年ぶりの低水準にとどまっている。アメリカと貿易戦争を繰り広げている中国において、消費者はより慎重となっているのだ。

中国の景気後退

中国経済では一体何が起こっているのか? この問いかけは、世界全体にとって重大な意味を持つ。自動車とiPhoneの売上のほうが落ち込みは大きいものの、中国の裕福なミドルクラスの夫婦のあいだでは、3000ドルするプラダのハンドバックがほしいという気持ちが薄れていることを、プラダの業績は示唆している可能性がある。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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