コロンビアでは首都のボゴタで始動したBeatは、第2の都市のメデジンにも進出。ペルーの首都、リマでも新たなサービスを開始する計画だ。
Beatは手頃な価格の「Beat Lite」をスタートさせ、低所得者層の取り込みを狙っている。Beat Liteは、製造から10年以上が経過した古いクルマを保有するドライバーを採用し、低価格で配車サービスを利用したい顧客を獲得しようとしている。
Beat Liteは3月18日に始動したばかりのプロジェクトだが、ドライバーの確保の点では理にかなった取り組みといえる。古い車両を業務に使うドライバーは、Beatへのコミッション料を抑えることが可能で、新しいクルマを持つ人々と変わらない報酬を得られる。
Beatは新規ドライバーの獲得に向け、2カ所のドライバーセンターを開設した他、電話のホットラインやウェブサイトを通じて求人を開始した。Beat Liteでは、初乗り料金が約1.5ドルからに設定されている。
ギリシャで始動したBeatは、今もアテネに本拠を構えるが、南米市場ではペルーのリマを拠点に事業を拡大させている。同社は2014年にTaxibeatという名称で、リマでのサービスを開始した。
Beatは2017年2月に4300万ドル(約47億円)でドイツのダイムラーに買収され、ダイムラーグループが進める多国間の配車サービスの一翼を担うことになった。Beatは2017年10月に、チリの首都サンティアゴに進出し、2018年5月にボゴタに乗り込んだ。
Beatの創業者でチーフエグゼクティブのNick Drandakisは、昨年のフォーブスの取材に対し「南米での6カ月間のオペレーションを通じ、アテネでの7年間を上回る需要を実感した」と述べていた。
同社は今年の年初にメキシコシティに進出し、近郊都市を含めると2100万人以上の人口を抱える都市圏でウーバーと市場を争うことになった。Beatはローカライズに注力することで、ウーバーから顧客を奪おうとしている。
ウーバーがメキシコシティに進出してから6年が経過しているが、ウーバーが女性の顧客を対象とした調査で、4人に3人が治安の悪い場所での安全性を懸念していることが明らかになっている。
Beatは2019年、ラテンアメリカ市場でさらに新たな都市に進出する。コロンビアでは3都市目となるカリでのサービスを、5月に始動させる。