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沖縄県石垣市に集ったユーグレナの経営幹部。左から、永田暁彦取締役副社長、出雲充代表取締役社長、鈴木健吾執行役員研究開発担当、福本拓元執行役員営業担当

大学発スタートアップとして2005年に創業し、東証一部上場企業まで成長を続けているユーグレナ。CO2排出量が少なく、食料との競合や森林破壊を起こさない、ユーグレナなどからつくるバイオ燃料をはじめ、大胆な新戦略を行う背景とは。


東京から約2000キロ離れた沖縄県石垣市。ミドリムシで知られる、東京大学発スタートアップであるユーグレナの経営幹部4人が一堂に会していた。2018年10月に行われた「先端生産開発棟」の完成式。ミドリムシ関連素材の新たな規格化、さらなる用途拡大、生産効率化を目指す石垣市の新施設のために、東証一部上場企業の経営幹部たちはなぜ、東京本社から集ったのか。

「ユーグレナにとって、それだけ大きな意味を持つからです」

現地でそう話したのは、出雲充社長だ。研究開発と生産の技術革新を実現し、低コスト化とミドリムシ市場の急成長による需要拡大に対応できる体制のための、石垣市の先端技術開発拠点。そして、翌11月に横浜市鶴見区で完成した、ミドリムシなどからバイオジェット燃料を精製する実証プラント。

同社の経営陣は、この2つの施設の完成を、12年12月の東証マザーズ上場以降のひとつの集大成と位置づけている。その背景には、売上高1兆円を見据えた企業としてのさらなる成長がある。


横浜市鶴見区京浜臨海部にある、バイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラント

「いくら鈍感な僕でも途中で気がついたんです。さらに10倍、100倍成長するためには、これまでの延長線上ではダメだと。ただ、(18年9月期の)売上高151億円の企業が、石垣に13億円、横浜のジェット燃料プラントに58億円の総額71億円の設備投資です。もちろん怖いですよ、本当に悩みましたから」(出雲)

ユーグレナは05年8月に創業し、12年12月、東証マザーズに上場した。同社のIPO時には売上高約12億円、従業員39人、時価総額103億円(初値ベース)。

それが6年後の現在、売上高151億円(18年9月期)、従業員グループ398人、時価総額も一時はユニコーン企業と称される1000億円を超えるまで成長し、2月7日現在、546億円となっている。

「10倍成長するのは当然、難しかったですよ。挑戦を続け、とにかく頑張る、走り続ける日々でしたから。ただ、1回はまぐれでも起きる。私はそれを2回、3回できればと思っています。アイデア1発勝負で100億円までは気合と根性でいけることがわかりました。ただ、売上高1000億円、1兆円になるためには、自動車産業、エネルギー産業、食品産業など規模感を持った本当の産業にならないといけません。そのためには、投資も踏まえた、基盤となる『企業としての総合力』が重要になります」

次の大きな飛躍。同社が東証一部に市場替えした14年12月以降、海外の機関投資家と対話をする中で、「どうすれば1兆円企業になるか」と出雲が常に思考してきたこと。

「一代で1兆円企業となったのはソフトバンクの孫正義さんだけ。私が尊敬している、味の素やヤクルト、キッコーマンなどの多くの企業も一代では到達していない。参考になる事例がないんです」。そう、出雲が経営者としての目線を上げて挑んだのが、大規模な設備投資だった。

文=フォーブス ジャパン編集部 写真=大城 亘(camenokostudio)

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