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だが、そんな日本で、およそ3カ月前にスバルは複数車種のリコールを発表した。フォレスター、インプレッサといった主力製品のブレーキやステアリングなどの検査が適切に行われておらず、保安基準を満たさない可能性が生じるということで、品質第一の観点から回収、無償修理に応じ、現在はユーザーの信頼回復を目指している最中なのだ。一昨年末に無資格の検査員が完成検査を行っていたという問題の発覚後、複数の完成検査問題を繰り返してしまった。

自動車が工業製品である以上、故障や設計ミスというのは、どうしても避けられないことである。とはいえ、それが品質検査の体制問題になると話は違ってくる。上昇気流に乗っていたメーカーのイメージは停滞し、それは直接販売にも影響しかねない状況だ。

ファンが大挙訪れたこの日のイベント会場を見るかぎり、ファンのスバルへの信頼は揺るがないように感じられるが、スバル側はどう捉えているのか。STIは、スバルのモータースポーツ部門を統括し、スバル車のカスタマイズパーツやチューニングカーの製作をも手がけている企業だが、今回のイベント会場で、STI代表取締役でありスバルの技監でもある平川氏に話を聞くことができた。

「近年、世間でシェアリングという言葉がよく使われますが、スバルやSTIにとってのシェアリングというのは、使い手と作り手、つまりお客様とスバル・STIが、感動や事柄を共有してその気持ちなどをシェアすることです。単なる経済合理性の問題ではなく、気持ちを分かち合うことによって、製造業である我々がお客様と一体となって次の感動を呼び起こす商品を作っています。なので、今日この場も、単にファンイベントではなくて、スバルファミリーとしてスバル車に乗ってくださっているお客様と一緒になって生活を豊かにしていくという思いで時間を共有し、お客様の意識についても再確認させてもらっています」

SUBARU

さらに、現在のスバルやSTIは、顧客との付き合い方をこのように捉えていこうとしているという。

「スバルファンの方というと、従来はとんがったコアなお客様が中心だったんですが、近年はその周りにいらっしゃる方々、つまり家族だったり友人だったりが増えてきました。今日もご家族で来られていらっしゃる方が多いようですし、スバルとの付き合い方も家族ぐるみになってきたと感じられます。ですから、さらにファミリー層にご支持いただけるよう、お客様が不安を感じることなく走れるような技術を重視していきたいと思っております」

スバルが誇るべきものは国内のファンからの熱い支持だけではない。冒頭に述べた「コンシューマーレポート」の評価にも現れている通り、海外からの絶大な評価がある。STI創設から30年目の春を迎えた今、STIはスバルブランドにどのような貢献ができると考えているのだろうか。

「スバルが日本のファミリー層にもご支持いただけている部分が、海外でスバルのお客様が増えていることに結びついていると考えています。また、北米市場では“スバルはSUV”という感覚があると思うんですが、次の30年ではスバルそのものをもう一つ飛躍させるためにも、付加価値形成につながるアプローチとして『STI』がスポーツブランドとして認知されていきたいですね」

これまで築いてきたユーザーからの信頼を、グローバル市場を舞台に、さらに飛躍させるというスバルとSTI。繰り返し発生した完成検査問題で失墜した信頼を取り戻すために今後どのようなアクションを繰り出していくのか。期待を込めて注目していきたい。

STI

文=Nobuya Ando

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