失敗がマネジメントにもたらす3つの利点

アマゾン・ドット・コムのジェフ・ベゾス最高経営者(Photo by Phillip Faraone/Getty Images for WIRED25)

人は一般的に、失敗を恐れるものだ。しかしマネジメントの観点から言えば、失敗には驚くほど建設的な側面もある。

失敗を推奨する人々の中でも、最も有名で最も雄弁な人物のひとりが、アマゾン・ドット・コムのジェフ・ベゾス最高経営者(CEO)だ。ベゾスはさまざまな機会で、失敗の重要性と、失敗から得られる教訓について説いてきた。アマゾンで幾年にもわたり大きなリスクを冒してきたベゾスは、失敗と発明は「互いを離れられない双子」だと表現している。

ベゾスはさらに、「発明には実験が必要だ。事前にうまくいくことがわかっているものは、実験とはいえない。大きな組織の大半は発明という概念は受け入れるが、そこへ至るまでに必要な一連の実験失敗は避けたがる」と述べている。私は大きな組織で何年も働いてきた者として、ベゾスの意見には完全に賛同する。

以下に、マネジメントの観点から見た、失敗には大きな利点があるという3つの理由を挙げる。

1. 失敗はイノベーションに欠かせない

ベゾスをはじめ多くの起業家が認識しているように、イノベーションと失敗は密接に関係している。リスクを取らなければ報いはほとんど得られない。重要なイノベーションのうち、初めから完全に無傷のまま成功したものは、ほとんどないだろう。大半の場合は失敗する。しかし、真のイノベーションが成功すれば、素晴らしい結果が生まれ得る。「100倍の結果が得られるチャンスが10%あるなら、必ずそれに賭けるべきだ」とベゾスは述べている。

2. 失敗はより快適で生産的なマネジメント環境につながる

私は長年に渡るビジネス経験を通じ、人々が失敗に対してさまざまな反応を示す様子を見てきた。中には、落ち着いて構え、創造性や促したり、思慮深い方法でリスクを冒すことを推奨したりする人もいた。一方で、失敗に対して極端な不安を抱く人と働いたこともある。より落ち着いた態度を持つ方が生産性の高い労働環境を生んだと断言できる。
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編集=遠藤宗生

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