在学中に起業
多くの偉大な起業家と同様、オルソンは若いうちから働き始めた。最初にコーディングの仕事をしたのは14歳のときだ。
オルソンは大学の最終学年で、友人と立ち上げたベンチャーに取り組むため、両親の反対を押し切って大学にパートタイムで通うようになった。当時はネットスケープが上場する直前のドット・コム時代初期だった。
オルソンの現在のベンチャー、ペンド(Pendo)には四半期ごとに5000人の求職者が応募する。現在300人の従業員を抱えており、最近には今後5年間で590人の人員増強を行うと発表した。
失敗を乗り越えるには
オルソンが友人らと立ち上げたスタートアップ、セレベラム(Cerebellum)は、商品ビジネスをスピンオフ(分離独立)するべく資金調達を始めた。当時はまだ90年代で、本社はサンフランシスコのベイエリアではなくペンシルベニア州ピッツバーグにあったにもかかわらず、外部から調達した資金は2000万ドル(約22億円)を超えた。
会社は売却寸前のところまで行ったが、取締役会はそこで、銀行家を雇ってより有利な条件を交渉することを決めた。それにより売却の話は頓挫し、会社に残された現金はわずか数カ月分となり、その後は厳しい決断と事業縮小が続いた。
これは珍しいことではない。多くの起業家はこうした出来事を経験すると、委縮したり、どこかの企業で働いたりするようになる。しかし、この経験を糧として前進する人もいる。
オルソンはこう語る。「覚えておくべきことは、自分たちが本当にイグジットに近かったのかどうかだ。そこにイグジットはあったし、おそらく株式取引がなされただろう時があった。その直後、株式市場全体が暴落した」
「『すごいじゃないか! あと一歩のところまでこられた』と考えること。何を実現できるのかに気づけば、『もう一度できる。一度できたのだから、またできる。私を止めるものなどないし、どんなことでもできる』という、ある程度の楽観的な考えが生まれる。その希望を通して未来を見据えること」(オルソン)