制限時間は20分!スタンフォード生が考えた、「日本企業を救う事業アイデア」

「自由の風が吹く」をモットーとし、GoogleやYahoo!の創業者など、数多くの起業家を輩出してきた、世界屈指のエリート校「スタンフォード大学」。チャレンジ精神に溢れた同校の学生たちと日本企業がコラボレーション。新規事業のアイデアを創出すべく、知恵を振り絞った。


『スター・ウォーズ』のオープニング曲とともに、ライトセーバーを片手に持ったダース・ベイダーの姿。それを見て、手を叩き、歓声を上げる学生。2019年1月19日、スタンフォード大学内の一室は、いつもと異なる熱気、不思議な雰囲気に包まれていた。
 
ダース・ベイダーのお面を取り、話をし始めたのは損害保険ジャパン日本興亜(以下、SOMPO)ビジネスデザイン戦略部 部長の大橋照永。彼は「日本の損害保険会社は堅い。そんなイメージを持ってもらいたくなかったし、違ったイメージを打ち出したかった」と演出の意図を語る。そして音楽が止まると、彼は学生たちに向かって会社戦略を語り始めた。


損害保険ジャパン日本興亜 ビジネスデザイン戦略部 部長の大橋照永氏


その日、スタンフォード大学で行われていたのは世界のトップ学生と次世代を牽引する日本の企業をつなぎ、新たな事業のアイデアを創出するオープンイノベーションのイベント「NexGen(ネクスジェン)」だ。14年にスタートし、今年で6年目を迎える。過去に東京、シンガポールで開催されてきたがアメリカで開催されるのは初めてのこと。なぜ、アメリカ、そしてスタンフォード大学でイベント開催することになったのだろうか?
 
その背景には、ひとりのスタンフォード生の強い思いがある。その学生の名はRyan Wu(ライアン・ウー)。彼はスタンフォード大学の学生であり、18年のNexGenに参加した人物。18年夏に開催された東京・銀座でのイベントに参加し、ライアンはこんなことを思った。

「日本には知られざる面白い企業がたくさんある。彼らとスタンフォード生をマッチングさせる場をつくれば、きっと良い化学反応が起きるはずだ」と。
 
ライアンはすぐさま行動に移す。NexGenを主宰するアクティブラーニングの羽根拓也に直談判。なぜ、スタンフォード大学で開催すべきなのか。思いをぶつけた。彼の熱意に動かされた羽根はスタンフォード大学でのNexGen開催を決意。

またスタンフォードの中でもトップレベルの起業家学生団体「ASES(The Asia-Pacific Student Entrepreneurship Society)」にも直談判し、イベントの魅力を伝えた。ライアンをハブにして、アクティブラーニングとASESが連携し、イベントの詳細を詰めていく。そして東京でのイベントから約半年後、イベントの開催が実現した。
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文=新國翔大 写真=ジェシカ・チョウ

この記事は 「Forbes JAPAN 地方から生まれる「アウトサイダー経済」」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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