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2019.03.30 15:00

ニューヨークで話題の鍼治療スタジオ「WTHN」、目指すは全米展開

Andrey_Popov / Shutterstock.com

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スタートアップを支援する投資家に、巷で噂のブランド創業者たちがずらりと名を連ねるのは珍しい。しかし、2018年11月に開業した話題の鍼治療スタジオ「WTHN」には、サイクリング専門ジム「SoulCycle」のエリザベス・カトラーとジュリー・ライス、サラダデリバリー「Sweetgreen」のニック・ジャメット、ヴィーガン専門レストランチェーン「by CHLOE」のサマンサ・ワッサーなど、そうそうたる面々がついている。

WTHNは、Red Sea Venturesのリードにより、合計で250万ドル(約2億7500万円)の資金を調達した。

WTHNは会員制で、古代中国から伝わる鍼治療を普及させ、多忙でも気軽に治療を受けられるようにすることを目指している。

ニューヨークで鍼治療を受ける場合、1セッション1時間の治療費は一般的に150ドル(約16500円)もすると、WTHN共同創業者のシャリ・オースは指摘する。

しかしWTHNでは、オースの声によるガイド付き瞑想を含む45分間のセッションが85ドルだ。会員になれば75ドルとなり、カッピング(吸玉療法)の施術と、LEDライトを使ったセラピーも無料でついてくる。

ニューヨークのフラットアイアン地区に1号店がオープンしてから5カ月が経ったWTHNはこのたび、ストレスへの抵抗力を高める効能を持つハーブ類の総称「アダプトゲン」が含まれた各種タブレットを売り出した。目指すところは鍼治療と同じだ、とオースは話す。「私たちは、わかりやすい言葉を使って啓蒙し、消費者が健康のために正しい判断を下せるよう人々を助けている」。彼女は、認定鍼師ならびにハーバリスト有資格者として20年の経験を持つ。

同社のハーブタブレットは、中国の伝統的な製法にのっとって作られており、原材料はすべてオーガニックだ。トレーサビリティも完全に確保されている。すべてのタブレットが、重金属や細菌などが含まれていないか検査されている。

ラインアップはいまのところ8種類。免疫力を強化する「Can’t Touch This(自分って最高)」、ストレス管理用の「Run The World(世界を動かせ)」、デトックスのための「Clean Slate(まっさらな状態)」など、ネーミングが奇抜だ。「Oops I Did It Again(またやっちゃったみたい)」という商品は、「食べ過ぎ後の眠気対策/パーティー後の回復用」だとラベルに書かれている。

オースは、「この分野は市場で空白になっていた」と語る。「入手が難しいという点もあった。家族向けの健康食品店や、高級スーパーマーケットのホールフーズに行っても、漢方はあまり並んでいない。西洋ハーブの方が多く、中国古来の薬草は置かれていないのだ。チャイナタウンに行くか、鍼師向けの販売業者を通じてでないと入手できず、店頭では買えない」

漢方の博士号を持つオースは、WTHNで「Healer」と呼ばれる専門スタッフになる人の全員に対する必要条件として、認定鍼師の資格と、漢方学の大学院学位、3年以上のトレーニング経験を求めている。
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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