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2019.04.01

神奈川県と同面積の小国、ルクセンブルクが注目される理由

f11photo / shutterstock


スタートアップばかりではない。その昔、アマゾンがヨーロッパ市場拡大のための拠点を探していた際に、ITインフラに投資していた政府が誘致したことで、アマゾンの欧州本社がルクセンブルクに決まったという有名な話もある。実は日本の楽天の欧州本社もルクセンブルクにある。

このような大企業の進出は、金融機関を中心に30年以上前から行われており、産業用ロボットのファナックも、早くからルクセンブルクに欧州本社を置き、最近では配送センターを設けるなど、ヨーロッパ市場をここから睨んでいる。

現地視察をするなら…

さて、そんなルクセンブルクという国をこの目で見てみたいという方に、そのアクセス方法をお教えしよう。

羽田空港からも成田空港からも直行便はない直行便はないものの、ヨーロッパ中の主要空港ほとんどから定期便が運行されている。便数が多いのはフランクフルト、パリ、ロンドン、アムステルダムなどからだが、乗り換えの利便性を考えると、1. ミュンヘン経由(トランジットは約2時間)、2. チューリッヒ経由(トランジットが短い)、3. コペンハーゲン経由(時間はかかるが安い)の3つのルートがおすすめだ。

大使館の松野さんがよく使うのは、空港が小さくて綺麗で、トランジットもしやすいミュンヘンやチューリッヒ経由だそうだ。チケットは、航空会社のサイトで購入することが多いそうだが、ミュンヘン経由ならルフトハンザかANA、チューリッヒ経由ならやはりスイスエアーだ。ルクセンブルクからは、TGVを使えばパリまでも2時間と移動しやすいという。

国内のホテルは割高で、ホテルだと1泊1万5000円ほどということで、スタートアップ企業であれば1泊6000円ほどのユースホステルがお薦めだ。エアビーアンドビーも増えている。ルクセンブルク市内はFree Wi-Fiの環境がよいため、どこでも仕事ができる。

5月21日、22日には、「ICT SPRING / SPACE FORUM」という大きなイベントも開催される予定で、世界中から起業家や投資家がルクセンブルクに集る。そこではルクセンブルクの政界や経済界の主要人物に出会える可能性も高い。私も5月に訪問する。またの機会に現地レポートを紹介したい。

連載 : イノベーション・エコシステムの内側
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文=森若幸次郎

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