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2019.03.26 12:15

Apple TV+発表会で見えたアップルの「オリジナル番組」至上主義

アップルの発表会に現れたオプラ・ウィンフリー(Photo by Michael Short/Getty Images)

アップルの発表会に現れたオプラ・ウィンフリー(Photo by Michael Short/Getty Images)

アップルは3月25日、定額制の動画ストリーミングサービス「Apple TV+」の立ち上げを発表した。今秋にサービス開始の予定だが、価格は現時点では明かされていない。
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Apple TV+は今年5月に公開予定の、Apple TVアプリのアップデート版から配信される。また、ケーブルテレビ型のサービスが楽しめる「Apple TVチャンネル」の開設もアナウンスされ、HBOやShowtime、Starzなどのコンテンツが個別課金で視聴可能になる。

今回の発表会はテレビ業界や映画界から、多くのスターや著名人を招いて行われた。人気テレビ司会者のオプラ・ウィンフリーが壇上に現れると、スティーブ・ジョブズ・シアターにつめかけた観衆らは立ち上がり、大きな拍手で迎えた。

ウィンフリーはアップルと複数年の契約を結んだことを、初めて公の場で語り、制作中のオリジナル番組について話した。職場におけるセクハラを扱うドキュメンタリー作品の「トキシック・レーバー」や、メンタル・ヘルス関連の問題を取り上げたシリーズの製作が進行中という。
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「アップルはこれまでとは全く異なるアプローチで、映像作品を製作する機会を私に与えてくれた。今回のプロジェクトは、世界中に巨大なユーザーベースを抱えるアップルだからこそ実現できるものになる」と彼女は述べた。

現在、世界で利用中のアップル製デバイスは14億台に及んでおり、一部のアナリストは同社が競合のネットフリックスを脅かす存在になれると述べている。

映画監督のスティーブン・スピルバーグも今回初めてアップルの発表会のステージにあがり、1980年代の「世にも不思議なアメージング・ストーリー」のリバイバル版の製作について語った。


ステージに上がったスティーブン・スピルバーグ(Photo by Michael Short/Getty Images)

女優のリース・ウィザースプーンとジェニファー・アニストンらは、新たに立ち上げるThe Morning Showについて述べた。「フレンズ」のレイチェル役で知られるアニストンにとってこの番組は、久々のTVシリーズへの復帰となる。


女優のリース・ウィザースプーンとジェニファー・アニストン(Photo by Michael Short/Getty Images)

また、映画監督のJ・J・エイブラムスはグラミー賞ノミネート歴を持つ女性シンガーの、サラ・バレリスとともに、壇上にあがった。彼らは「Little Voice」というタイトルの、傷つきやすい女性アーティストを主役にしたドラマを製作する。


女性シンガー サラ・バレリス(Photo by Michael Short/Getty Images)

ユーチューブの戦略にも影響か

テック業界を描いたドラマ「シリコンバレー」で知られる、パキスタン系アメリカ人俳優のクメイル・ナンジアニも、「Our Little America」と題したドラマシリーズを製作する。

さらに、セサミストリートの人気キャラクター、ビッグバードもステージ上で「Helpsters」と呼ばれる子供向けコンテンツを発表した。

アップルは今回のイベントで、Apple TV+を家庭向けエンタメ領域で最高のサービスにする意志を明確にしたが、今秋のサービス開始のタイミングで、さらに派手なイベントを開催することも予測できる。今回のイベントは、ウォルト・ディズニーが4月11日に予定するストリーミングサービス「Disney+」の株主向け説明会に先駆けて行われた。

アップルが今回のイベントを開催した同日にブルームバーグは、グーグルがユーチューブで配信を計画していた、巨額予算の作品の製作がキャンセルになったと報じた。ブルームバーグによると、グーグルは新規のオリジナル作品製作の提案の受付を停止したという。

グーグルはこの報道を否定したが、今後は月額11.99ドルの「ユーチューブプレミアム」と並行して、広告つきで無料配信するオリジナル番組の立ち上げも計画中であると述べた。

編集=上田裕資

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