10の数字で振り返るイチローの偉大なキャリア

Photo by Yuki Taguchi/MLB Photos via Getty Images

シアトル・マリナーズの外野手イチロー(45)は3月21日、正式に現役引退を発表した。日本のメガスターは、自身の野球人生が始まった地で、最後の試合に臨むことを選んだ。

メジャーで放った通算安打数は3089。野手として開幕戦に先発した選手としては、歴代2番目に年長の選手となった(最年長は2004年の開幕戦に同じ45歳で出場したフリオ・フランコ)。イチローの名前は永遠に、野球史に刻まれることになるだろう。

データがゴスペルのように扱われるこのスポーツにおいて、イチローは以下のとおり、注目に値する幾つもの数字を残してきた。

1. 日本のオリックス・ブルーウェーブでプレーした9シーズンの安打数は1278本。その後に移籍したメジャーリーグ(MLB)と合わせ、イチローは合計4367本のヒットを打った(日米通算は正式記録にはならない)。MLBの通算安打数の最多記録は、ピート・ローズが1963~86年の間に打った4256本だ。

2. 2001年にMLBの新人王を獲得。同時にMVP(最優秀選手)に選出された。同じシーズンにこれら2つのタイトルに輝いたのは、イチロー以外にはフレッド・リン(1975年)だけだ。

3. イチローは1992~2000年までに、日本のパ・リーグでMVPを3回獲得した。

4. MLBのアメリカンリーグ(AL)とナショナルリーグ(NL)を合わせた打率記録でイチローが首位または2位になったのは、合計4回。

ALでのルーキーイヤーの打率は.350で、首位打者となった。2004年の打率.372は最高記録。2007年はマグリオ・オルドネスの打率.363に続く.351をマークし、2位となった。9年連続でオールスターに出場した2009年の打率は.352で、ミネソタ・ツインズのジョー・マウアーの.365に次ぐ2位だった。

5. イチローがマリナーズで打ち立てたチームの歴代最多(最高)記録には、安打数の2542本、平均打率の.322、打席数の7907、三塁打の79本、盗塁の438回の5つがある。

6. MLBでゴールドグラブ賞を10回以上受賞した外野手は6人。ロベルト・クレメンテと、ウィリー・メイズが12回受賞。イチローとケン・グリフィーJr.、アンドリュー・ジョーンズ、アル・ケーラインが、それぞれ10回獲得している。

7. MLBで3000本以上の安打と500回以上の盗塁を達成した選手は7人。このリストにはイチローの他、ルー・ブロック、タイ・カッブ、エディ・コリンズ、リッキー・ヘンダーソン、ポール・モリタ―、ホーナス・ワグナーの名前が含まれる。

8. イチローは8シーズンにおいて、200安打と100得点を同時に達成。これを実現したMLB史上2人目の選手となった。同じ記録を出したもう1人の選手は、ニューヨーク・ヤンキースのルー・ゲーリックだ。

9(9.2). イチローは30 歳になった2004年、MLB選手のチームへの貢献度を測る指標WAR(Wins Above Replacement)で9.2を記録した。このシーズンの打率.372は首位。出塁率プラス長打率(On-base Plus Slugging:OPS)は.869だった。また、打席数704、安打数262、敬遠数19、ライトでの刺殺数372もリーグトップとなった。

10. イチローが獲得したゴールドグラブ賞の数と、連続でオールスターに選出された年数(2001~10年)。

1億6900万ドル:マリナーズのほかニューヨーク・ヤンキース、マイアミ・マーリンズに所属したイチローのメジャーリーガーとしての生涯収入は、総額およそ1億6900万ドルに上ると推定される。この金額には、米国でプレーしていた間に多くの日本企業と結んだ年間数百万ドルのスポンサー契約料は含まない。

編集=木内涼子

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