Close RECOMMEND

M&Aをもっと身近に


営業利益は4期連続の増益

では業績の方はどうか。

2019年3月期は売上高が前年度比4.6%増の5650億円、営業利益が同1.1%増の275億円と増収増益の見込みだ。

2019年1月に発表した2019年第3四半期決算によると製粉事業は国内の小麦粉価格の値上げやカナダやタイ子会社の出荷増などにより売上高は前年度比5.6%増、営業利益は3.4%増となった。

食品事業は加工食品事業の中食、惣菜、健康食品などの出荷が増え同2.3%の増収となったものの、営業利益は積極的な宣伝広告活動によるコストアップに人件費や物流費の上昇が加わり、同0.8%の減益となった。

その他事業はペットフード事業が競争激化に伴い売り上げが前年を下回ったほかメッシュクロス事業もスクリーン印刷用資材の出荷減により売り上げが前年を下回った。半面エンジニアリング事業はプラント工事が好調に推移したため、その他事業全体の売上高は同36.9%の増収、営業利益は同25.1%の増益となった。

2018年4月から2018年3月までの9カ月間の業績は好調だが、2019年3月期通期としては当初予を据え置いた。海外展開や中食、惣菜事業などが好調なものの第4四半期にデジタルマーケティングなどの広告宣伝活動に注力するほか事業のモデルチェンジに向けた戦略的な投資も行う予定のためだ。

それでも売上高は2017年3月期にマイナスとなって以来2期連続の増収で、営業利益も2015年3月期にマイナスとなって以来4期連続の増益となる。

日清

未来への羅針盤

日清製粉グループは2018年5月に長期ビジョン「NNI Compass for the Future」を策定した。創業120周年となる2020年を最終年度とする経営計画「NNI 120Ⅱ」を2015年にスタートしたが、環境や食糧、健康などの面で大きな変化が起こりつつあるため、「NNI 120Ⅱ」を通過点とする長期ビジョンに練り直した。

この中で設備投資や技術開発、人材育成と並んでM&Aに力を入れる方針を打ち出しており、その第一弾が年間営業利益の2倍に当たる470億円を投じて実施する豪州の製粉会社Allied Pinnacleの買収というわけだ。

各事業についてはそれぞれグランド・デザインを作成しており、製粉事業は低コスト体制を築き、海外事業を拡大するとともに新たな事業を立ち上げる方針。食品事業では加工食品事業で海外での事業展開を加速し、酵母・バイオ事業では診断薬原料、培地、試薬などの事業を拡大する。

その他の事業でもペットフード事業はEC(電子商取引)での事業拡大を推進し、エンジニアリング事業ではオリジナル機器の販売や粉体加工事業を拡大するという。

長期ビジョンには期限はなく10年後、20年後の社会構造の変化を見据えたもので、いわば未来への羅針盤という存在。このため目標数字などは設定していない。M&Aの推進がどのような形になるのか。豪州の製粉会社Allied Pinnacleの次の展開に注目が集まる。

M&Aをもっと身近に。M&A Onlineの記事をもっと読む>>

文=M&A Online編集部

PICK UP

あなたにおすすめ

合わせて読みたい