ビジネス

2019.03.27

米国で急増のスパム電話「ロボコール」撲滅に向けた動き

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米国で近年、モバイルユーザーを悩ませているのが、自動音声で商品の勧誘などを行う「ロボコール」だ。昨年11月にはロボコール防御サービスを手掛ける「YouMail」の分析で、ロボコールの発信回数が10月に、月間50億回を超えていたことが明らかになった。

この状況に対処するため、通信大手のベライゾンは今月末、無料でロボコールのブロックを行うアプリの提供を開始する。2019年にロボコールの被害は急増し、1日に数回のスパムコールを受けるユーザーも珍しくなくなった。

ベライゾンは既に月額2.99ドルの対策アプリをリリースしていたが、新アプリでは無料版とプレミアム版を用意する。

ロボコールの撃退に向けては既に、米国のAT&TとコムキャストがSHAKEN/STIRと呼ばれる方式で、発信元の電話番号が本物であるかを判別するテクノロジーを提供してきた。AT&Tとコムキャストは共同で、SHAKEN/STIR規格を採用することをアナウンスしており、ベライゾンもこの規格を採用することになる。

「発信元の番号を偽装して、ロボコールを発信しようとした場合、SHAKEN/STIRのシステムがそれを検知し、その番号が認証済みではないことを受け手側に通知する。この認証システムは、その通話が本当にその番号から発信されたものであるかどうかを判別する」とAT&Tとコムキャストの2社は述べていた。

今後の数カ月で、各通信キャリアはSHAKEN/STIRシステムの相互運用テストを行っていくという。

この分野では既にサードパーティによる無料アプリもリリースされており、Nomoroboや RoboKillerといったアプリは無料のトライアル期間の終了後、月額2ドル程度で継続利用が可能だ。また、完全無料のHiyaなども知られている。

米連邦取引委員会(FTC)は現在、STIR/SHAKEN規格の承認プロセスを進めている。

編集=上田裕資

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