BMW史上最大SUV、「X7」の静粛性と乗り心地に驚いた

BMW X7


日本では、30dと言うディーゼルターボ仕様が販売されるそうだけど、テキサス州にはそのバージョンがなかったので、日本仕様に一番近い6気筒ターボに乗った。僕が試乗したのは、340psを発揮するxDrive40iという6気筒ターボ仕様だ。

まず一言。車重は2500kgを超えるのに、パワーは十分。4WDと言うことで、アクセルを踏む分、どんどん加速していく。重さを感じさせない。8速A/Tとのマッチングも完璧だし、シフトショックも感じない。X7の大きさと重さを感じるのは唯一、ブレーキを踏む時だけだ。



これだけ巨大なクルマだから、止めようと思う時には軽めの普通のSUVよりも、少し早めにブレーキングを始めなければならない。制動力は十分だし、ブレーキペダルのフィールもクルマの減速を上手にドライバーに伝えるけどね。

重くて大きいSUVは走りにくいかと思いきや、ステアリングもブレーキングもX5並みでとても自然に感じた。ステアリングは正確で重さもちょうどよく、アンダーステアは出ないし、コーナーでもボディは不思議なほどロールしない。だから、長距離クルーシングでは、本当に疲れない。

ただ、僕が乗った広大なテキサスは特殊な条件で、道路の狭い日本で乗ると、X7は大きく感じると思うし、およその立体駐車場には入らないだろう。全幅は2メーターだから、平置きのコインパーキングも少ないことだろう。

室内は、フラッグシップモデルと思わせる豪華な仕上がりと装備を採用している。メーターパネルには12.3インチの液晶パネルを組み込み、センターコンソール上部に配置されるインフォメーションディスプレイも12.3インチサイズを使用。



天井には、とにかく気持ちのいい「スカイラウンジ」と言うパノラマガラスルーフを装備し、夜になると1万5000個のLEDライトの、星空を連想させるイルミネーションに彩られる。2列目のシートの開放感は業界一かもしれない。

日本には今年の9月の上陸になりそう。値段はおそらく1000万を超えるだろうが、BMWファンにはこの静粛性とコンフォートはたまらないだろう。買うまでには、すっぽり入るパーキングを用意しよう。

国際モータージャーナリスト、ピーター・ライオンが語るクルマの話
「ライオンのひと吠え」 過去記事はこちら>>

文=ピーター・ライオン

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