ビジネス

2019.03.22

株価高騰の米リーバイス、再上場の「宣伝効果」は長続きするか?

Photo by Spencer Platt/Getty Images


残る潜在的なリスク

英調査会社ユーロモニターによれば、リーバイスは米国市場で最大のジーンズ・ブランドだ。2013年には11.6%だった市場シェアは、昨年には12.1%に拡大した。だが、それでも同社は今後、より幅広い市場の変化に対処していかなければならない。その変化は、同社自身がコントロールできるものではない可能性がある。

同社の昨年の卸売売上高は、3分の2近くが百貨店などの顧客から得たものとなっている。百貨店シアーズが昨年10月に破産の申請と店舗の閉鎖を発表したことは、リーバイスにとっての潜在的なリスクの一例だ。

そして、オンラインでもその他の形態での販売でも、競争は激化している。ギャップやリー、ラングラー、アメリカンイーグルといった従来からの競合各社に加え、アスレジャー・ブランドともシェアを奪い合っている。

その他、リーバイスも百貨店メイシーズやその他の小売店も同様に、消費者がより「体験できるもの」に支出を振り向けるようになっていることを認めている。

ユーロモニターのデータによれば、米国のジーンズの売上高は過去5年間に11%減少した。一方、アパレル市場全体の売上高は、10%増加している。リーバイスの高級ラインと競合するディーゼルは先ごろ、破産法の適用を申請したばかりだ。

気まぐれな消費者の好みは周期的に変化する。リーバイスが現状を乗り切ることができるかどうかは、今のところはまだ分からない。

編集 = 木内涼子

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