3月21日、マイクロソフトはMac向けのMicrosoft Defenderの提供開始をアナウンスした。この製品はWindows 10向けのMicrosoft Defenderと同等の機能を持っており、現時点ではマイクロソフトの企業顧客が利用できる、限定プレビューとして公開されている。
この製品は既存のマイクロソフトのウイルス対策ソフトと同じ機能を、Macユーザーに提供する。マシンに発生した脅威をリアルタイムで検知し、USBドライバのスキャンも随時行える。また、マルウェアの定義は常に最新版にアップデートされる仕様だ。
マイクロソフトは以前から、クラウドベースのセキュリティの仕組みであるAdvanced Threat Protection (ATP)を推進してきたが、今回初めてその対応範囲がMacユーザーにまで拡大された。
これは、驚くべき動きにも思えるが、前例もある。今から数カ月前にマイクロソフトは、EdgeブラウザをグーグルのChromiumソフトをベースに再構築するとアナウンスした。さらに、EdgeブラウザをMac対応にすることもアナウンスしていた。
マイクロソフトが最後に、Macでも動くブラウザをリリースしたのは今から十数年前の2003年のことだった。アップルとマイクロソフトは長年のライバルではあるが、過去には驚くべきコラボも実現していた。
なかでも有名なのは、1997年にアップルが破産の危機に直面した際に、マイクロソフトが議決権なしのアップル株を1億5000万ドル相当購入し、アップルを危機から救ったことだ。
マイクロソフトとアップルの間には、想像以上に複雑な関係があるのだ。マルウェア追放に向けたミッションも、同様に複雑なものだが、この分野で両社が歩み寄ることはユーザーのメリットになるに違いない。