ジミー・バフェットはカフェ・レストラン・チェーン「マルガリータビル」の成功と長年の音楽活動を通じて得た人気によって、富を築いてきた。ただ、インターネットから得られる情報に基づいて確認する限り、ウォーレンの保有資産が800億ドル(約8兆9200億円)を超える一方、ジミーの資産は「わずか」5億5000万ドルとなっている。
筆者は二人のバフェットの大ファンだ。彼らの偉業はどちらも、成功に必要な技と知識の両方によって成し遂げられたものだろう。ウォーレンは何十年にもわたり、バランスシートや損益計算書と向き合い、企業風土や成長の見通しなどについて調べてきた。ジミーは音楽を通じて自身のメッセージを広め、その成果を収入に変える方法を見つけてきた。
彼らはどちらも、チームメイトに非常に忠実だ。ウォーレンとパートナーでどちらかと言えば口数が少ないチャーリー・マンガーは、1959年以来の付き合いだ。一度もけんかをしたことがないという。また、ジミーとキーボード奏者のマイケル・ユトリーをはじめとするバンドメンバーの多くは、何十年も一緒に音楽活動を行っている。
さらに、ウォーレンとジミーはそれぞれの仕事において力を発揮し続け、不安や混乱に見舞われた時期を乗り越えてきた。
ウォーレンは、市場がアルゴリズムやクオンツ、その他のものに徐々に侵食されていく中で、その動きを把握しなければならなかった。これらが市場にもたらした変化は、伝統的なバリュー投資を忍耐強さが必要なものに変えた。そのため何十年か前に比べれば、この手法で投資を行う人は大幅に減少している。
ジミーは、音楽ビジネスのコモディティ化を受け入れなければならなかった。人々は現在、レコードのアルバムを買うのではなく、曲を無料でダウンロードしている。
二人はそれぞれの活動分野において、また投資家として、ビジネスの本質や投資、関心事に対する私たちの取り組み方に称賛に値するものをもたらしてきた。そして、全く異なる分野でこれらを実現してきた二人が最終的に頼ることができたのは、資本主義だ。
賢明な決断を下し、忍耐強さを保ち、年を重ねることでのみ得られる幅広い視野から自分の仕事を見ることによって資本主義を利用し、それらを実現してきたのだ。ジミーが歌詞の中で言ったように、全く変わらないものは何もない。重要なのは、変化に合わせて態度を変えるということだ。