中国の「英語学習ブーム」を象徴する、30億ドル企業VIPKidの躍進

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中国の北京本拠のオンライン教育プラットフォーム「VIPKid」の企業価値は、30億ドルに達している。VIPKidは50万人以上の中国の学生らを顧客として抱え、6万5000名の米国人教師が英語を教えている。

2013年創業のVIPKidはこれまで、累計で8億2500万ドル(約920億円)を調達した。昨年夏に同社が実施した5億ドルの資金調達は、世界のオンライン教育分野で史上最大の資金調達額となった。

30億ドルの評価を得たVIPKidは、オンライン教育分野で最も企業価値の高いスタートアップ企業だ。

創業者のCindy Miは学校生活に上手く馴染めず、17歳で学校をドロップアウトして、叔父の協力を得て従来型の英語学校を設立した。その頃、彼女が実感したのが週に2回の25分の学習セッションが、長時間の個人レッスンよりも有効であることだった。

VIPKidが成功を収めた背景には、教師たちにフレキシブルな労働環境を与えたことがあるとMiは話す。教師たちはリモートで勤務可能で、好きな時間にレッスンを提供できる。教師の大半は週に10時間から20時間働き、1時間あたりの報酬は14ドルから22ドルだ。

VIPKidはニュースメディアFast Companyが選ぶ、世界で最もイノベーティブな企業に2018年と2019年に選出されたほか、最も優れたリモートワーク企業にも選ばれた。求人サイトのGlassdoorも同社を、世界で最も理想的な職場の一つにあげている。

中国では毎年1700万人以上の子供が生まれ、親たちは英語教育に関心を高めているが、中国在住の北米出身の英語教師の数は、わずか2万7000人だ。Miは中国の英語教育市場が今後、膨大な成長余地を残していると指摘する。

VIPKidではオンラインで新人教師のトレーニングを行う。「ほとんどの教師は、3回ほどのテストレッスンで、英語を教えるコツをつかむ」とMiは話した。

さらに、新人教師のレッスンは他のベテラン教師らが常にモニタリングを行い、クオリティの向上に務めている。同社はまた、生徒のエンゲージメントを常に測定している。

「どうやればもっと効率的に英語を教えられるかを、常に考えている」とMiは話した。

翻訳・編集=上田裕資

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