自分で事前に30社ほど調べ、その30社をランダムにまわって、勝手に手伝っているらしい。しかも、そういう役割の人がたくさんいる。官民をあげて売り込んでいるのだ。
「こうした地元の企業が海外で出展する場合もついていくのか?」と聞くと、「もちろん、世界中どこへでも出かける。カリフォルニア州の素晴らしい商品を世界の人に知ってもらいたいのです」と間髪入れず答えてくれた。押し売りどころか、その言葉はむしろ清々しかった。
その「きちんと」はきっと生きる
これを目の当たりにすると、日本の企業や行政も、もっと世界に出てよいのではないかと思う。ヨーロッパの食品関係の展示会では、最近、寿司やラーメン以外にも、日本酒の人気が高く、出展も増えているそうだ。しかし、絶対数がまだ少なく、規模も小さく、ましてや応援などままならない。
アメリカの展示会に毎年出展しているメーカーさんに聞いても、「やはり人手が足りない、ぎりぎりで頑張っている」と言う。やはり官民一緒になって、徹底して応援するくらいの政策を打ち出さないと、あっという間に中国のメーカーに抜かれてしまうだろう。
Natural Products Expo Westでは、ブースの出展だけではなく、バンドのライブやバーコーナーなどもあり、大人たちが昼間からパーティのように盛り上がりながら、ワイワイガヤガヤと商談を進めている。
その中心で大声で負けずに議論していたのは、残念ながら日本人ではなく、中国人のビジネスマン。ビール片手にアメリカ人と商談していた。
しかし、そんな劣勢ななかでも日本人を褒めたいのは、どこへ行くにもTシャツやポロシャツのアメリカ人を相手に、きちんとシャツにジャケット、なかにはパリッとスーツを着こなして丁寧に接客していたところだ。
その姿は、おかしくもあるが、悪い印象ではない。その「日本人らしさ」は、逆をかえせば成功につながるカギかもしれない。会場の真ん中で、スーツで「お〜いお茶」を大量に無料配布していた「伊藤園」の人や、世界にむけて抹茶を紹介している「あいや」の人は、さすがに迫力があった。遅ればせながら、エールをおくりたい。
連載:オトコが語る美容の世界
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