幕張メッセで行われている「ドラッグストアショー」への出展が約400ブースだが、こちらは4000ブースで、規模だけでも10倍はある。しかも、入場するには関係者でも審査が必要で、パスポートやIDは必携。参加費も4万円ほどと高額なため、見てまわるにも気合いが入る。会場はとにかく広く、覚悟しておかないと歩くだけでも疲れる。そこで得る情報はリアルで楽しいし、役に立つ。
今年は、世界130カ国の企業が出店していた。中国や韓国、インドといった国のメーカーが多かったが、日本からは10社に満たない。4000ブースの中でそれだけというのはかなり寂しい。日本の会社のブースがあると、顔見知りでもないのに、ついつい寄って挨拶してしまった。
企業×政府で「自国」アピール
とはいえ、日本企業のブース自体は少ないが、会場にはたくさんの日本人が歩いていて、通りすがりに名札を見ると、大手商社や流通会社、百貨店系列やレストランカフェチェーンの人などだ。熱心に視察していた1人と話すと、日本でも売れそうな新商品を買い付けに来ているのだという。
確かに、このような海外の展示会で商品を見つけて、東京や大阪で流行らせ、ビジネスを成功させている人たちを何人か知っている。流行はアメリカやヨーロッパのほうが早いので、見本市や展示会はそれを見出すワクワクする場所でもある。
しかし、逆も考えてみるが、欧米の人が日本で買い付けて、「日本のメイドカフェチェーンをテキサスで展開しよう」「和菓子屋をNYで始めよう」「煎餅に焼印をつける機械を日本から輸入してヨーロッパで販売しよう」というのはレアケースだ。日本ほど、外国から輸入して商品を売ろうという発想がないように思える。
欧米人、そしていまは中国の人が、「自国のものを、自国の文化を」とプッシュしてくる。しかも、国やら支援機関やらがセットになって推してくる。
地元カルフォルニア州の出展ブースで話をしていたら、押し売りかと思うほど商品に対して熱心で、陽気に振る舞う女性がいた。あまりに熱心なので、「あなたが創業者か」と訊いたら、「州の行政の人間で、地元のブースを応援して回っている」とのこと。