米名門大学の裏口入学スキャンダルに関する30の事実

エール大学(f11photo / Shutterstock.com)


16. シンガーは第三者にSATやACTを受けさせたり、(顧客の子供である)受験生の誤った回答を書き換えさせたりしていた。さらに、競技に関する経歴を偽るために、大学の運動部の監督と共謀するなどしていた。

17. 起訴されたのは33人の親のほか、シンガーの事業に協力していた13人など。

18. シンガーは恐喝の共謀や資金洗浄、司法妨害などについて、罪状認否で有罪を認めている。最長65年の禁錮刑と125万ドル(約1億3900万円)以上の罰金を科される可能性がある。

19. シンガーは司法省とFBIの捜査に協力していた。保釈金50万ドルを支払い、すでに釈放されている。

20. 米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、一連の不正はある企業幹部が絡む別の証券詐欺事件の捜査の過程で明るみに出た。

21. 司法省によれば、不正によって裏口入学した学生がいたのは、エール大学、スタンフォード大学、ジョージタウン大学、ボストン大学、ノースイースタン大学、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)、南カリフォルニア大学(USC)、テキサス大学オースティン校、ウェイクフォレスト大学など。

22. 複数の運動部のコーチが解雇、または懲戒休職の処分を受けている。

23. USCは不正の発覚を受け、入学許可について審査中だった6人の入学を認めないことを決定したと発表。また、スキャンダルに関与した親などから支払われた全額を、恵まれない学生のための奨学金に充てる方針を明らかにした。

24. 現時点では、起訴されたコーチがいても捜査の対象となっていない学校がある。

25. 受け取ったお金を大学に渡したコーチもいた一方、自ら受け取ったコーチもいた。

26. 現時点では、学生は起訴されていない。

27. 司法省の関係者は量刑や罰金などについて議論するのは時期尚早だとする一方、一連の不正行為は重罪であり、禁錮刑となる可能性があると述べている。

28. その他の親やコーチが今後、起訴される可能性もある。

29. すでに起訴された被告らに加えて大学側も、民事訴訟を起こされる可能性がある。

30. スタンフォード大学の学生2人が、このスキャンダルは自分たちが取得する学位の価値が損なわれた、自らの今後の職業上の関する成功に悪影響が及ぼされる可能性があるなどとして、カリフォルニア州の連邦裁判所に訴えを起こしている。

重要な問題

この問題に関連して主に疑問視されているのは、以下の点だ。

・親の不正行為を知らずに入学した在学中の学生はどうなるのか?

・親の不正行為を知らずに入学し、卒業した学生が取得した学位はどうなるのか?

・親の不正行為によって入学、卒業した学生がその後に医療、法律、証券、その他の分野で専門家としての資格を取得していた場合、それらの資格はどうなるのか?

・影響を受けた大学は今後、どのような対策を取るだろうか?

・連邦議会と各州議会は大学の入学に関して何らかの規制を設けるだろうか?

編集=木内涼子

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