キャリア・教育

2019.03.21 10:30

米名門大学の裏口入学スキャンダルに関する30の事実

エール大学(f11photo / Shutterstock.com)

米史上最大規模の名門大学への裏口入学スキャンダルには、著名人を含む多くの親たちが関与していた。この問題についてはこれまでに、以下のことが明らかになっている。

1. マサチューセッツ州の連邦地検は、高校生を名門大学に入学させるための不正に関与したとして、50人を連邦裁判所に起訴した。

2. 不正に関与した親たちの多くは、20万ドル(約2225万円)を支払っていた。中には650万ドルを払った親もいた。

3. 起訴された中には、ドラマ「デスパレートな妻たち」に出演していたフェリシティ・ハフマン、「フルハウス、フラーハウス」に出演したロリ・ロックリンも含まれていた。

4. ハフマンとロックリンはいずれも、郵便詐欺、誠実なサービスを受ける権利に関する詐欺と共謀罪に問われている。

5. ロックリンと夫でファッション・デザイナーのマッシモ・ジャヌリは、2人の娘を南カリフォルニア大学(USC)のボートチームのメンバー候補として入学させるため(娘はどちらもボート競技の経験がない)、合計50万ドルの賄賂を払うことに同意したとされている。

夫妻は今のところ罪状認否を行っておらず、それぞれ100万ドルの保釈金を払い、すでに釈放されている。3月29日にマサチューセッツ州ボストンの裁判所に出廷する予定だ。

6. ハフマンは長女を大学に入れるため、入学試験での不正行為に「慈善寄付」の名目で1万5000ドルを支払ったとされる。ハフマンも現時点では罪状認否を行っておらず、25万ドルの保釈金を払って釈放されている。同月29日にボストンの連邦裁判所に出頭の予定。

7. 起訴された中にはその他、大手資産管理会社や投資会社、法律事務所の幹部が含まれる。

8. 起訴された親たちが支払った金額は、およそ2500万ドルに上るとされる。

9. 不正は2011年から行われていた。

10. 米司法省と連邦捜査局(FBI)は1年以上前から捜査を行っていた。

11. 不正行為には、大学の入学進学適性試験「SAT」や「ACT」の担当者や大学のスポーツチームの監督、入学審査の担当者への賄賂、不正の隠れ蓑としての慈善団体の利用が含まれる。

12. 入学希望者ではなく第三者に授業や試験を受けさせ、不正に取得した得点や成績などに基づき、入学申請に必要な書類を作成、提出していた。

13. 捜査は「バーシティ・ブルーズ作戦」のコードネームで進められてきた。

14. 一連の不正は、カリフォルニア州のニューポートビーチ在住で進学指導ビジネスを行っていたウィリアム・リック・シンガーを中心に行われていた。シンガーの顧客は700人を超えていたとされる。ただ、全ての顧客が不正に関与していたわけではないとみられている。

15. シンガーは大学進学のための指導や手続きを行う「エッジ・カレッジ・アンド・キャリア・ネットワーク」を経営していたほか、非営利団体「キー・ワールドワイド・ファンデーション」を運営していた。
次ページ > 大学が相次ぎ訴えられる可能性も

編集=木内涼子

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事