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「人はあなたが言ったことやしたことを忘れるが、あなたに抱かされた感情は決して忘れない」──マヤ・アンジェロウ

私の友人は最近、家族の重病のために会社を早退しなければならなくなり、それを伝えるため、会議中だった上司にのもとへ向かった。会議の行われている部屋をノックしてドアを開けて中を覗き込み、「会議中に申し訳ないのですが……」と言いかけると、参加していた副社長からぴしゃりと「終わるまで待ちなさい」と告げられた。私の友人はただうなずいてドアを閉め、憤りを感じながらその場を立ち去った。

副社長は彼が家庭の事情で会議を遮ったことを知る由もなかったとはいえ、この短いやり取りの総合的な印象はネガティブなものとなり、彼は傷つき、いら立つ結果となった。

礼儀の欠如

残念ながら、現代の職場には礼儀と丁寧さが欠如していることが多い。この問題を詳細に分析したジョージタウン大学のクリスティーン・ポラス教授も、無礼な扱いを受けることと、日常業務のパフォーマンス低下の間には関連性があるとの結論に達している。彼女は「職場での人との接し方は重要」と指摘し、「相手に対する無神経な態度は、人々の健康状態、パフォーマンス、そして精神を少しずつ損なっていく」と述べている。

これはある意味で、驚くべきではなく、常識的なことだ。冒頭で引用した偉大な詩人・活動家の故マヤ・アンジェロウの格言にある通り、人は「あなたに抱かされた感情」を記憶しているものだ。アンジェロウの言葉はマネジメント論を念頭にしたものでないことは確かだが、これはマネジメントの世界にも適用できる。

たとえ小さなことでも、従業員のマネジメントに対する反応を大きく変え得る。

今回の例では、私の友人が副社長(と会社全体)に対して持つ姿勢が、今後どう変わるかは分からない。過去のちっぽけな出来事として忘れ去られ、何も変わらないかもしれないし、逆に不快な出来事として彼の心の中にいつまでも残るかもしれない。

ひとつ確かなのは、副社長や会社にとって有益なものとはなり得ないであろうということだ。むしろ長い目で見ると、態度やエンゲージメントの面でむしろ有害なものとなる恐れがある。

これこそが、マネジメントにおける礼儀の欠如がもたらす問題だ。重要なのは、「愛想がよい」かどうかではなく、成果につながるかどうかなのだ。

編集=遠藤宗生

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