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伝統的な実店舗型の小売業者、米ウォルマートとターゲットがいずれもこのところ、インターネット通販大手アマゾン・ドット・コムを打ち負かしている。

過去12カ月間の株価上昇率は、ウォルマートとターゲットがそれぞれ14.16%、12.73%だったのに対し、アマゾンは6.03%の伸びとなった。アマゾン株の上昇率が従来型の小売業者に大差を付けていた前年までとは、大きな違いだ。

小売大手3社の株価に見られるこうした変化は、伝統的な小売業者を切り捨てる用意ができていたストラテジストや投資アナリストたちにとって、驚きだったかもしれない。どうやら小売業界では、何かが変化したようだ。

伝統的な小売業者は姿を消すのではなく、オンライン小売部門を追加し、強化することによって盛り返した。消費者はオンラインで注文し、近隣の店舗で商品を受け取ることで時間を節約し、配送料を節約している。特に鮮度の維持という点で配達のスピードが非常に重要な食料品で、こうした傾向が目立っている。

従来型の販売とオンラインでの販売を同時に行えることは、ウォルマートやターゲットのように多数の大規模店舗を持つ業者に有利に働いた。両社の売上高は、どちらの販売形態においても回復している。

インベスティング・ドット・コムのシニアアナリスト、ハリス・アンワーは、「ウォルマートとターゲットのオンライン小売の売上高はここ何四半期か、約40%の伸びを記録している。古くからあるこれらの小売業者が、勝つために必要なものを見つけ出したことを示している」と指摘する。

簡単に言えば、ウォルマートとターゲットが小売業界の流れを変えたということだ。両社はアマゾンが一度は滅ぼそうとした「近所の店」での戦いに、アマゾンを引き入れたのだ。

アンワーは、「アマゾンが8400億ドル(約93兆7000億円)規模の生鮮食料品市場で大幅なシェアを奪い取ろうとするなら、電子商取引に関する高い能力で実店舗ネットワークを補完するような新たなモデルを確立しなくてはならない」と指摘する。「アマゾンは実店舗網を拡大できない限り、小売業に関するその野望を実現することはない」という。

実際にアマゾンは、高級スーパー・チェーンのホールフーズの買収を通じて、これを実現しようとしてきたと考えられる。アンワーによれば同社の買収は、「より短期間で学び、小売市場の破壊に向けた戦略を打ち出すためのアマゾンの計画の一部」だという。その戦略とは、先ごろ報じられたホールフーズが出店していない米国内の各地域での食料品店の開業だ。

アマゾンの新たな戦略がうまくいくかどうかを判断するのは時期尚早だが、明らかなことが一つある。ウォルマートとターゲットはすでに、形勢を逆転させたということだ。オンライン小売の最大手は、後れを取り戻さなければならない。

編集=木内涼子

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