2018年12月末時点での海外店舗数は、同年3月末より23店増え105店と初の大台に乗せ、国内店舗数153店(2018年12月末)に迫ってきた。
M&Aに関しても2016年までは国内中心だったのが、2017年、2018年に海外のM&Aを実施しており、今後、ライセンス、直営が中心だった出店形態にM&Aも加わっていきそうだ。
海外店舗が初めて100店を突破
一風堂はホームページで一風堂ステートメント(声明)として、「ラーメンを筆頭に、愛すべき日本食を世界へと伝えていきます」とし、海外展開を重要なミッションと位置付けている。
2018年4月から12月までに増えた店舗数が海外の23店に対し、国内は11店だったことからも、力の入れ具合がうかがえる。同期間に、店舗数が最も多く増えたのは中国で、7店増え合計29店舗となり、次いで多かったのがタイの6店で、合計14店舗になった。2019年3月期はこれにベトナムの店舗が加わることになる。
ベトナムの店舗は現地のライセンス先で、イタリアレストラン「Pizza 4P’s」を11店展開するPizza 4P’s Corporationが運営する。一風堂の看板メニューである「白丸元味」や「赤丸新味」などのとんこつラーメンを日本円で450円から550円ほどで提供する。
一風堂は、1985年に福岡市に「博多 一風堂」をオープン。2008年に米国ニューヨークに海外1号店「IPPUDO NY East Village店」を出店したのを皮切りに海外展開に乗り出した。
現在の進出先は中国やインドネシアなどのアジア9カ国・地域と米国、英国、フランス、オーストラリアの4カ国。
インドネシアと台湾でM&A
M&Aについては、2017年にインドネシアでの事業拡大を目的に同国のPT. IPPUDO CATERING INDONESIAの全株式を取得し子会社化したほか、2018年には台湾でラーメン「IPPUDO」事業のライセンス供与先である乾杯股麵股份有限公司の全株式を取得し子会社化した。
こうした取り組みが功を奏し業績は順調で、2019年3月期は売上高が前年度比11.4%増の272億4300万円、営業利益が同11.8%増の10億1200万円と、増収増益の見込み。この5年間では売上高は52.7%の増収。営業利益は5.6倍の増益となった。
今後、海外の旅行先で博多ラーメンに出会えるチャンスは増えそうだ。
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