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“キヨさん”と多くの起業家が慕う、小林清剛

日本国内で成功を収めてから海外へ。一昔前までは、その考え方が当たり前とされてきたが、ここ数年で状況は変化。“グローバルで勝つ”ことを追い求め、最初から海外を拠点にして事業を展開する起業家が少しずつ増えてきている。

その代表例はホテルの空き部屋を月額制で家のように利用できる「Anyplace(エニープレイス)」を手がける内藤聡や、ソフトウェアテストの自動化AIサービス「Autify」を手がける近澤良などだろう。サンフランシスコを拠点に日々、世界中の起業家と切磋琢磨している。

彼らが“キヨさん”と兄のように慕う起業家が、小林清剛だ。彼はスマホ黎明期の2009年、スマホ向けのネット広告配信会社「ノボット」を創業。わずか2年後にはノボットをKDDIグループに売却した。2013年にサンフランシスコに渡米。現在は外食の体験を友達と共有するモバイルアプリ「Chomp(以下、チョンプ)」を手がけている。

なぜ、シリアルアントレプレナー(連続起業家)としてサンフランシスコで挑戦することにしたのか。そして、同時に下の世代の日本人起業家に自分の経験を共有していくことにしたのか。小林が歩む、起業家としての“第二の人生”に迫る。


日本人がサンフランシスコで成功する「再現性」を高めたい

──2013年から渡米され、サンフランシスコを拠点に事業を展開されています。小林さんにとってサンフランシスコはどんな場所ですか?

世界中の人に使ってもらえるプロダクトを開発するにあたって、サンフランシスコはベストな場所です。ここはフェイスブックやグーグルなど、世界中で使われるプロダクトを開発した会社がいくつもあり、そこで働いた経験を持つ人も沢山います。また企業に資金を出す投資家もいますし、世界中のメディアがサンフランシスコに注目しています。

その分、競争も激しいですし、採用も難しいですが、世界中で使われるプロダクトを開発する場所としてサンフランシスコ以上の場所はないと思っています。

──この5年を振り返ってみて、いかがですか?

渡米したばかりの頃は英語が全く話せなかったので語学学校に通うところから始めました。もちろん、友達もいるわけがなく……。ちょうど、その頃に聡(Anypleceの内藤聡)やHiro(Ramen Heroの長谷川 浩之)とサンフランシスコで出会って。当時は彼らとともに、ビジネスマッチングアプリ「Weave」を使って1日に5人くらいと会って、人の繋がりをを増やしていきました。

会うたびに「How can I help you?」と質問して、とにかく自分が役に立てることを聞いていって。その結果、多くの知り合いや友達ができ、数年経った今でも、その頃につくった人間関係が活きています。ある程度、経験を積んだ状態で、またゼロから人との繋がりをつくるのは日本のスタートアップ環境との違いに気づき、学ぶことも多かったです。すごく面白い体験でした。

この5年間で最も良かったのは、日本人起業家同士でノウハウやつながりを共有できるコミュニティを構築できたことですね。私がサンフランシスコに来たばかりのときは、ベイエリア全体には日本人同士が集まるコミュニティは幾つかあったのですが、スタートアップの創業者が相互支援しあい、知識や経験を共有し合ったりして、強いつながりを持つものはありませんでした。

私個人の目標として、サンフランシスコでスタートアップする「再現性」をつくることをテーマにしています。世界で最もプロダクトをつくるのに適したこの場所で、日本人や移民の起業家がスタートアップをして、世界中に使われるプロダクトをつくるということに再現性を生み出したいです。

文=新國翔大 写真=小田駿一

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