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2019.03.18

阪急メンズ東京が日本初、アダルトグッズ店を常設。「百貨店は、いい子すぎるのかも」

写真提供=阪急阪神百貨店



写真提供=阪急阪神百貨店

ストリートの雑多な感じを百貨店に持ち込みたかった

──リニューアルでこだわったところはどこですか。

フロアを「ワールド」として定義し直したことです。TENGAが入る6階はストリート系の「裏原宿」を想定しました。裏原宿に集まるのは、ストリートブランドがあるだけでなく、タピオカ屋さんも、コンドーム専門店もあります。あの雑多な感じを百貨店に持ち込みたかったんです。

コンドマニア(原宿にあるコンドーム専門店)さんにお話を持ちかけたのですが、自動販売機を置くことにしました。そのフロアは、ソフトクリーム、タピオカ、アダルトグッズ、アクセサリーなどファッション以外のものがたくさん楽しめます。まさにストリートの雑多感を演出しました。床にはペインティングもされています。

──民谷さんは普段働いている阪急うめだ本店でも売り場づくりの改革を進めていったのでしょうか。

以前は阪急うめだ本店の婦人服を担当していたのですが、今までの年齢とグレードの分類をやめました。年齢に限らず、お客さんは「価値観」や「生き方」で消費することがわかってきたので、「アドバンス」、「コンテンポラリー」、「エスタブリッシュメント」と分類し直しました。私は最先端ファッションが揃う「アドバンス」を担当しておりました。その分類はうまくいって、今年の4月からメンズ売り場でもでも採用されることになりました。

お客さんはECサイトでも、百貨店でも、ストリートでも買う

──ECサイトで購入するお客さんに対してはどう思いますか。

ECサイトで購入するお客さんは多様です。一概にはなかなか言えません。言ってしまえば、百貨店で買う人、ECサイトで買う人、ストリートで買う人、全部同じ場合だってあると思います。お客さんはシームレスに考えて、自分の買いたいものを適当な場所で買っています。

一方で、私たちは同じ会社でも担当を売り場ごとに変えている。顧客管理もECサイトと百貨店では別です。そこからまた考え直さないといけないなと感じています。

ただ、今の環境で働けることは楽しい。会社としてチャレンジをどんどん推奨する。私たちも新しい試みを実験できる。阪急阪神百貨店の今年のテーマは「楽しさ」。お客さんに対してどこまでそれを提供できるのか。まさに阪急メンズ東京で実験していきたいと思います。

文=井土亜梨沙

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