折りたたみ式スマホに「しわ」発生の可能性、1万回の開閉で

サムスンが発表した折りたたみ式スマホ、"Galaxy Fold"(Photo by Justin Sullivan/Getty Images)

サムスンやファーウェイらが相次いで、折りたたみ式スマホを発表しているが、これらのデバイスのディスプレイがどれほどの耐久性を備えているのかは疑問だ。

先日はブルームバーグに、サムスンのGalaxy Foldのディスプレイが、約1万回の折りたたみを経た後、しわが発生するとの記事が掲載された。1万回というとかなりの回数にも思えるが、平均的なスマホユーザーが一日に25〜150回、スクリーンのロック解除を行うことから考えて、最悪の場合は半年で不具合が発生することになる。

もちろん、折りたたみ式スマホは必ずしも毎回、広げて用いるものではないが、サムスンが折りたたんだ状態で使えるセカンドスクリーンを搭載しないとすれば、問題の発生率は高まる。

また、1万回の折りたたみで生じる画面のしわが、少々不快な程度のものなのか、もっと酷いものなのかによっても事の重大さは異なるだろう。しかし、2000ドル以上もする高価なデバイスの画面に、しわが出るというのは問題だ。

折りたたみ式ディスプレイは新たなテクノロジー故に、このような障害は覚悟すべきことなのかもしれない。しかし、サムスンが約8年をかけてようやく完成させた端末が、不完全なものであるとしたら非常に残念だ。

専門家の間からも折りたたみ式ディスプレイの、もろさを指摘する声はあがっている。また、アップルは折りたたみ式iPhoneのディスプレイを、熱で温めて破損を防ぐ特許を申請したことも明らかになっている。

ブルームバーグの記事では、サムスンはディスプレイに不具合が起きた場合、無償で交換するオプションを検討中だという。これはありがたい話ではあるが、理想的とはいえない。また、半年ごとに高価なディスプレイを無償提供するとしたら、サムスンの業績にもダメージを与えかねない。

折りたたみ式スマホを市場に投じるメーカーらは、このテクノロジーに自信を抱いているのかもしれないが、完成度の点でいうとまだ疑問が残る部分もあるのが現状だ。

編集=上田裕資

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