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2019.03.14

旅先の提案から最適プランの提示まで 旅行サービス「atta」が2億円調達

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例年、旅行者の数が激増する春の大型連休だが、今年が大きく事情が異なる。改元にともない、史上初の10連休が決定したことで、旅行の予約者数、特にヨーロッパをはじめとした遠距離方面への海外旅行の予約が急増している。JTBによると、前年同期比で予約者が2〜5倍となっている会社もあるという。

旅行者にとって、旅行先を決め、最適な価格で予約することは非常に悩ましい問題だ。航空券やホテルの価格は、需供のバランスによって日々変動するため、個人でその情報を追い、比較するのはなかなか難しい。

予算内で最適な旅行先や宿泊先を探しきれていない、または、自分で比較し検討するのは面倒だという旅行者の悩みを、ビッグデータ・AIによって解決する新しい旅行サービスが「atta(あった)」だ。

同サービスを提供するWithTravelは、3月14日にβ版をリリース、同時に約2億円の資金調達を実施したことを発表した。引受先となったのはグローバル・ブレイン。今回の資金調達に伴い、グローバル・ブレインのパートナーの深山和彦氏が社外取締役に就任する。


(左から)グローバルブレインの深山和彦、百合本安彦、WithTravelの春山佳久

WithTravel は2018年3月に創業、同年6月にB Dash Venturesを引受先としてシードラウンドの資金調達を実施しており、累計の調達額は約2億5000万円となる。

今回調達した資金をもとに、「atta」のさらなる機能拡張と海外拠点としてシンガポールに子会社を設立、東南アジアを中心とした海外のマーケットへ進出していくという。

β版のリリースと資金調達というタイミングで、海外マーケットへの進出に踏み切った背景について、同社代表取締役の春山佳久は以下のようにコメントした。

「東南アジアは一人あたりの所得が増えたことで、海外旅行が一つの楽しみになっている。ウェブサービスの市場が一気にモバイル化に流れたこと、新しいものを試す文化が日本よりもあること、ソーシャルメディア経由で情報が拡散されやすい環境であることが背景にあります。それらのチャンスを掴むため、東アジア、東南アジアで日本と同タイミングでマーケティング活動ができる組織を創業から作ってきました。現在、日本、韓国、ベトナム、マレーシア、シンガポール出身のメンバーでチームを構成しています」

加えて、春山自身が2014年から約2年間、シンガポールで格安航空券の比較サービス「Skyscanner」の仕事を経験しており、東南アジアでの旅行ビジネスのチャンスを肌で感じていたこともポイントになったという。
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文=大木一真

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