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2019.03.26

「我々は未だスタートラインにも立っていない」。オイシックス・ラ・大地が見せた、挑戦者としての覚悟

オイシックス・ラ・大地。

この名前を聞いて思うことは、きっとこうだろう。「オイシックスって社名変更したんだ」「大地って、大地を守る会のこと?」。もしかしたら、「ラ」が、らでぃっしゅぼーやの「ら」であることにも、気づくかもしれない。

2000年にマッキンゼー出身の高島宏平(現、代表取締役社長)が設立したオイシックスは、17年に大地を守る会、そして翌18年にはらでぃっしゅぼーやとの経営統合を発表。『野菜宅配の御三家』とも呼ばれた競合3社が、ひとつになるという驚きの展開を見せている。

かつて、コンサル出身者が野菜宅配を手がけることで注目を浴びたベンチャーは、この経営統合を経て大手企業となったのか、それとも……。

『野菜宅配の御三家』の経営統合は、終わりではなくはじまり

音楽配信サービスに代表される、サブスクリプション(定額制)。“持たない”暮らしをはじめとしてライフスタイルが多様化する中で、最近では家具のサブスクリプションサービスもスタートするなど、注目を集めるサービスモデルだ。

オイシックス・ラ・大地もまた、創業以来サブスクリプションサービスを提供しているが、実は、『サブスクリプション×食』において、ある程度の規模で利益を出せている会社は、世界中を見渡しても同社以外他にない。

その理由はシンプルで、食の領域は利益を出す難易度が高いからだ。例えば食品の配送は、安全確保のために冷蔵・冷凍対応が必要になる。つまり、とにかく物流コストが高い。立派な大根を1本販売すると売上は数百円。しかし重量とサイズがかさむため、配送料を考えると利益はわずかしか残らない。

収益構造をきちんと理解し、利益を出す構造に変えていく努力をし続けなければ、簡単に赤字になってしまう難しい領域。実際に、経営統合前年のらでぃっしゅぼーやが6億円の赤字企業だったことからも、その経営の難しさを見てとることができる。

成し遂げるべきは、3社でシェアを奪い合うことではなく、3つのブランドでまだまだニッチな健康や環境に優しい食品のマーケット自体を大きくしていくこと。3社は、「これからの食卓、これからの畑。」というミッションの下でひとつになった。これは、『サブスクリプション×食』を基点として、より大きな挑戦をしていくためのはじまりだった。

IPO、そして経営統合......新卒出身の若者の大いなる貢献

この2つの経営統合をはじめ13年の東証マザーズへの上場と、会社が大きくスケールする場面を現場でリードしてきたのは、最年少取締役の松本浩平だ。松本は08年に新卒でオイシックス(当時)へ入社。大学院生時代の2年間のインターンを含めると、社歴は今年で13年目を迎える。



東工大大学院のゼミの先輩が、ファウンダーのひとりだったことから縁を得てオイシックスでインターンをはじめた松本。OJTという名の下に、社長のコンサル同行やメディア立ち上げなど「新しいチャレンジにばかり関わらせてもらって楽しかった」と当時を振り返る。

その象徴とも言える出来事が、いきなり「5000万円稼いできて」と言われたこと。課されたミッションの予算が5000万円だったということだろうが、いずれにしてもしびれる内容であることは間違いない。

そこからオイシックスの媒体化、広告収益を軸としたメディア事業の立ち上げを担うことになった松本は媒体の説明資料をつくり、テレアポをし、プレゼンに行く。その繰り返しは、まさに新規開拓営業そのもの。「最初の1円を稼ぐまでは大変。でも、やってみたら意外に大丈夫だった。しかも楽しんでいる自分がいたことも発見でした」とさらりと言ってのけた。

入社以降、最初の転機になったのは、1年間のIPO準備だ。「上場前のベンチャーで仕事をするならば、関わってみたい」という希望は叶い、プロジェクトに抜擢された。と、そこまでは良かったのだが、ここから、松本曰く『自分史上、一番の修羅場』がはじまる。

プロジェクト開始直後に上司が離脱するというトラブルが発生。後任がなかなか決まらない中、経営企画の責任者を果たさなければならなくなったのだ。「どうにかしなければ。でも、わからないことだらけだ」。当然、IPOの準備経験などあるはずもない。

さらに困ったことに、上場に向けての最重要指標とされる定期宅配の会員数がギリギリ届くか届かないかという瀬戸際でもあった。予定通り上場審査をクリアするためには、来年は数値が上向くという根拠を持った説明が必要になる。希望的観測では通用しない。
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