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2019.03.14

実は6社もユニコーンを輩出。知られざる、韓国スタートアップの現在地

TungCheung / Shutterstock.com


韓国スタートアップの今まで、そしてこれから

韓国ベンチャーの盛り上がりは、1990年代までに遡る。1996年に、アメリカのナスダックをモデルにしたコスダックが設立。1997年には、ベンチャー企業育成法が制定された。1998年から就任した金大中元大統領により、90年代後半には高速ITインフラが全国的に整い、国民のほとんどがインターネットに繋がるパソコンを保有。これらが土台となり、90年代末から2000年代にかけて第1ベンチャーブームが生まれた。

政策だけでなく、競争社会という文化、1997年のIMF金融危機による失業も、起業を後押ししたと思われる。その後、朴槿恵元大統領の政権が「創造経済」を掲げ、スタートアップ支援を強化するなど、国の政策とのコラボレーションで、現在の躍進は生まれた。


写真=青瓦台写真記者団

現政権の文大統領は、さらに「韓国のユニコーン企業を20社に増やす」という目標を掲げている。4年間で1.2兆円規模の投資を創出してグローバルユニコーン企業に育てていくとのこと。どの国も政府がユニコーン企業を育てるという目的下でこれほどの大規模な税金を直接投じた前例がないため、注目が集まっている。

お金を投じれば、本当にユニコーンは生まれるのか。規制緩和などの課題を残しつつも、その可能性もゼロとは言えない。

面白いサービスの原型が、韓国にある

ここ数年ですっかり日本の若者の生活習慣を変えたと言っても過言ではないインスタグラムは、おそらく韓国人にとってさほど生活に影響を及ぼした目新しいサービスではない。というのも、韓国にはサイワールド(싸이월드:1999年)という、自分の写真を繋がりのある知人に公開できる知り合い基盤・画像メインのSNSが2000年頭から全国的に流行っていたからである。

他にも、日本でライン(2011年8月)が流行る前から、韓国には、カカオトーク(2010年3月)という全く同じサービスが存在しており、そしてユーチューブ(2005年2月)の前に、似た様な動画シェアプラットフォームのPandora TV(2004年10月)が存在していた。

この様に、韓国では数十年前から現在まで引き続き、大きくなるサービスの原型や、たくさんの面白いサービスが生まれてきている。本連載では、数回に分けて最近日本での注目も熱いD2C(Direct to Consumer)、ビューティーテックを含めた韓国のスタートアップを取り上げていく。

文=Maria Han

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