ビジネス

2019.03.16

「女性のオーナー経営者を支援すること」が、すべての人に有益である理由

El Nariz / Shutterstock.com

多くの場合、ガバナンスにとって良いことは、ビジネスにとっても良いことだ。こうした類いの幸運な相関関係の実例として、多様性のあるサプライチェーンとマーケティングチェーンの構築がある。

世界的に見て、女性がオーナー経営者として運営する企業は、業界の種類も増えているし、企業数や規模も拡大している。海外展開する企業にとって、そうした女性たちのビジネスを発掘してつながりを深めることは、さまざまな目的に関して有益だ。

経済全体が強化される

ジェンダーが平等化すれば、経済効率が改善され、発展による成果も向上する。世界人口の半数以上は女性だ。女性のビジネスを支援することで、雇用が創出され、世帯収入が増加し、経済改革と社会改革が進む。

未開拓となっている女性のスキルや才能を、より巧みに活用する企業は、生産性を高め、異なる視点を育み、困難な問題への新たな解決策を生むだろう。

サプライヤーのプールが倍増する

企業は、新たにサプライヤーや営業担当者を見つけようとする際に、これまでどおりの慣れた手段に頼りがちだ。いままで培ってきたコネクションが男性がオーナーである企業だけで構成されている場合は、意図的な行動を起こさない限り、今後もその状態は続くだろう。

しかし、女性がオーナー経営者であるような海外企業を積極的に探そうという姿勢を持てば、そうした企業が主流派の仲間入りを果たせるよう、助けることができる。その結果、そうした企業は、政府や他企業とのつながりをさらに拡大させる一方で、さらに多くの女性オーナーの企業と接触し、参加を促すようになるだろう。

各社のちょっとした努力によって、取引を希望する企業の数は大きく変化するし、長期的に見れば競争が活発化する。そうした状態は、ほぼいつでも、クライアント企業にとってプラスになるだろう。

顧客ロイヤルティ(忠実度)が向上する

家庭で必要な商品を購入する際の決定権はたいてい女性が握ってきたし、それはいまも変わっていない。海外市場において、「女性がオーナー経営者である企業を相手にした取引割合」の最低値をそれなりに高く設定し、それを表明すれば、家計の財布を握る女性たちからのロイヤルティ(忠実度)を獲得できるだろう。

企業の社会的責任が果たせる

企業は、社会的責任を果たすためのプログラムに多額を注ぎ込んでいる。しかし、女性がオーナー経営者である世界各地の企業と、より多くの取引関係を結べば、かなり高い評価を得られるだろう。そのために必要なのは、よい取引相手になりそうな候補者を探すだけであり、お金はかからない。

女性がオーナー経営者である企業を世界各地で支援することは、多様化する市場に取り組もうとする意思と、地域社会を支えようとする意欲の両方を表明することだ。それがひいては、イノベーションを推進し、他市場セグメントへ向けたアピールを拡大し、新たな売り上げ源を広げていくだろう。
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翻訳=ガリレオ

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