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2019.03.16

「女性のオーナー経営者を支援すること」が、すべての人に有益である理由

El Nariz / Shutterstock.com


不正行為が減少する

男性よりも女性の方が集団としてより高い倫理観を持つ、と考えるべき理由はない。しかし、外部の人間は内部の人間と比べて、企業内で不正行為に手を出す可能性が低いということについては、さまざまな事例がある。

デューク大学の行動経済学者ダン・アリエリーは、正直さと倫理に関して多くの研究を行っているが、そのひとつによると、他人が不正を働いているのを目にした人間は、自らも不正行為に手を出す可能性が高くなることが明らかになっている。

女性がオーナー経営者である企業はいまのところ、外部者という立場にある。だから、少なくとも最初のうちは、規制を順守し、規範を受け入れる姿勢が強いと見られる。

世界銀行のレポートによれば、伝統的に女性が多数を占める分野は、弱者から賄賂を引き出すことを意図した搾取的な規制によって、差別的なターゲットにされる場合がある。しかし企業レベルにおいては、女性オーナーと賄賂とのあいだには逆の相関関係があることを、少なくともひとつの研究が示している。

「女性が影響力を持つ立場にあることと、(企業における)不正の少なさには関連性がある。女性のオーナー経営者は、贈収賄の発生率が低く、贈収賄の規模も小さいことと関連している。また、女性が経営幹部を務める企業では、不正行為が大きな問題にはなりにくいことが観察されている」

女性がオーナー経営者である企業を探す

女性がオーナー経営者である企業を支援する方法はさまざまだ。提携する、プロモーションする、メンター役として指導する、トレーニングの機会を与える、ネットワーキングのイベントを開く、資金調達や市場進出の機会を提供する、取締役会や指導的地位の仲間入りをさせる、などが可能だ。

アメリカ国内には、女性がオーナー経営者である企業の認定を行う優れた組織が存在する。しかし、世界的に見るとそうしたリソースは多くない。ほとんどの発展途上国において、女性がオーナー経営者である企業は、既存企業が支配するサプライチェーンへの参入に苦労している。

企業は、自社のサプライチェーンやマーケティングチェーンに、女性がオーナー経営者である企業を含めることで、海外市場における提携先を広げることができる。また、より広い層からの人材獲得が可能だ。

女性オーナー経営者の支援については、「健全な公平性」という面での議論が行われているが、ビジネス的な論点も説得力を持っているのだ。

翻訳=ガリレオ

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