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難民から考える、日本と世界の「未来」


奥さんたちは慌てて蕨市から電車で品川の入国管理局に戻ったが、入管職員からは「営業時間は終わりました」と、チョラクさんとの面会を拒否した。


(写真提供)チョラクさんご家族

奥さんが「救急車のお金を自分たちで払うので、旦那を病院に行かせてください」と嘆願したものの、職員は対応しなかった。

午後7時20分、再びチョラクさんから奥さんに電話がかかり、「なぜ、外からも何もしてくれないのか」と訴えたところ、奥さんの友人が救急車を入国管理局に呼んだ。

午後7時25分頃、救急車が到着。しかし入管職員は「看護師がいるから大丈夫、帰りなさい」といい、救急車は空のストレッチャーを乗せて帰ってしまった。

しかしその後、入管職員は「看護師はいない」と奥さんに告げた。奥さんは「お願いですから、医者の診察をしてください」と懇願した。

入管職員は奥さんに「明日医者が判断し、必要なら外の病院に行きます」に告げた。「責任者は誰ですか?」と奥さんが尋ねると、入管職員は「答えられません」としか答えなかった。

その後、チョラクさんとは連絡がとれなくなった。入管の規則で、収容されている人が電話できるのは午後8時までだからだ。それ以降は外にいる家族とも電話ができなくなる。

午後11時13分、2台目の救急車到着。奥さんによると119では対応してくれず、救急相談センターに電話をしたという。

しかしその30分後、救急車はどこにも見当たらなかった。チョラクさんを支援する人たちが入管前に集まっていたが、彼らが気づかないうちに別の出口からいなくなってしまったようだ。その時、チョラクさんが搬送されたのかどうかもわからなかった。

奥さんが、支援者たちと共に救急相談センターに確認したところ、チョラクさんを搬送していなかったことを知った。

クルド人の仲間が訴える。

「日本のみなさんに迷惑はかけたくないです。入管が営業時間外なのもわかります。ただ、あれだけひどいチョラクさんの状態があって、病院に連れて行って欲しいだけなのです」

3月13日午前2時ごろ、家族や支援者など、日本人、クルド人合わせて60人くらいが、入管の前に集まっていた。

3月12日当日、入管にいた当直の医師は精神科のお医者さんだったという。


(写真提供)チョラクさんご家族

文=渡部清花

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