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3月9日、ニューヨークのケネディ空港に向かっていたトルコ航空の旅客機が、激しい乱気流に巻き込まれ、客室乗務員が足を骨折。28人の乗客が病院に運ばれた。

一部の科学者らは、気候変動の影響で今後、乱気流の発生が増加すると述べている。大気中の二酸化炭素の濃度は、今世紀の半ばまでに現在の2倍に高まると予測され、北米や欧州、北太平洋地域での激しい乱気流の発生確率は高まるという。

英国のレディング大学で大気科学を研究するPaul D. Williams教授は、航空機が頻繁に行き交う北大西洋上空での乱気流発生率は今後、149%も上昇すると述べている。

「気候変動の影響で。特に冬の期間は全ての航空機に影響を与える規模の乱気流の発生件数が大幅に上昇する」と、Williamsは2017年の論文で述べていた。

トルコ航空の旅客機は、着陸の45分前にメイン州上空で乱気流に巻き込まれ、機体が急降下したため乗客らは天井に激しく打ちつけられた。その後、負傷者を載せたボーイング777型機はケネディ空港に無事着陸し、乗客らは病院に搬送された。

乱気流は乗客や乗員の怪我を引き起こすだけでなく、機体や客室にダメージを与え、飛行機のメンテナンス費用を増加させる。Williamsは米国の航空会社が、乱気流で被る経済的ダメージは年間2億ドル(約230億円)にも及んでいると試算している。

乱気流への遭遇件数は、旅客機の増便とともに高まっており、年間5%のペースで伸びている。乱気流の発生が増えることで、この状況はさらに悪化する。

Williamsは2017年に論文を発表して以降、他の科学者とともに世界の8地域で調査を進めてきた。その結果、一部の地域では乱気流の発生確率が数百%も高まっているという。

「エアポケットとも呼ばれる晴天乱気流の発生件数は、北米や北太平洋、欧州においては約2倍に増えている」と研究チームは指摘している。

コロンビア大学とNASAの研究チームも、気温の上昇が航空機の揚力を損ない、離陸の際にこれまで以上の重量制限が求められる可能性を指摘していた。中国科学院の科学者らも、世界の平均気温が1.5度から2度上昇した場合、北京や上海から離陸する航空機の貨物量を引き下げる必要があると述べていた。

Williamsは気候変動の影響で、ジェット気流の速度が高まることも指摘している。これにより、西から東に向かって飛ぶ航空機の速度は高まるが、西に向かう航空機の速度は低下し、炭酸ガスの排出量も増すことになる。Williamsは英BBCの番組でも、彼の研究結果を披露していた。

編集=上田裕資

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