ビジネス

2019.03.14 15:00

ネスレやコカ・コーラが示す食品業界での「革新」の重要性


企業の売上高の伸びや成長が鈍化すれば、アクティビストやヘッジファンドは経営に口を出し始め、企業に行動を迫る。企業とは大きく異なる方法で、売り上げを増やそうとするのだ。

例えば、イーベイ株の4%以上を14億ドルで取得した大手ヘッジファンドの米エリオット・マネジメントは同社株を入手するとすぐに、独自の事業計画を策定。チケット販売サイトのスタブハブの分割などを提案した(別の分野の企業だが、好例として挙げられる)。

企業が自ら変わらないのであれば、投資家たちが企業に変化を強いることになる。「食うか食われるか」の状況に追い込まれた経営陣には、「濃いコーヒー」が必要になるだろう。

一方、食品業界には、「カフェイン摂取」の必要もなく成長している分野もある。加工された不健康な食品とみられてきた冷凍食品が、自然食品のカテゴリーで売り上げを伸ばし始めている。米B&Gフーズは冷凍野菜のブランド「グリーン・ジャイアント」に有機野菜を使った新商品を加える予定だ。

変化を無視する企業は、変化の犠牲者になり得る。革新を目指す企業は、そこから利益を得ることができる。アクティビストたちが活動を強化し、より迅速な行動を強要しても、大企業の変化は遅い。

アクティビストらが常に正しいとは限らない。だが、大企業は変化すること、適応することに慣れていくための方法を見つけ出さなければならない。

コカ・コーラにとってそれは、コーヒー関連事業を手掛ける小規模企業を買収したり、新たなフレーバーを導入したりすることなのだろう。そして、ネスレにとっては、スターバックスのような成功しているその他のブランドと提携することなのだと考えられる。

「唯一確実なことは、変化は続くということだ」と言われる。少なくともこれは、近い将来に変わることはないとみられることの一つだ。毎朝カフェインを必要とする人がいなくなる可能性も低い。食品・飲料業界の一部には、もう少し濃くした「一杯のコーヒー」が必要な企業もあるということだろう。

編集=木内涼子

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