ビジネス

2019.03.14 07:00

アートはユニクロの経営に生きるか? 柳井正が「才能」に投資する理由


美術館とのコラボレーションで、進出国でのブランド力を高める

──ユニクロが会社として美術館と関わっていくことの意義はどのようにお考えでしょうか?

ファッションもアートもどちらも美に関わるものですから、ビジネスとして関連性も相乗効果もあります。アートに興味がある人はファッションにも興味がありますから、お互いがお互いの店に送客しあうような関係になっていて、先方にも非常に喜んでもらっています。

ユニクロとしてスペインに初めて出店した「ユニクロ パッセージ・デ・グラシア店」は、MACBAから歩いて行ける距離にあります。

こうした取り組みは、当事者同士だけでなく、第三者からも非常に高く評価されています。特にMoMAとの取り組みは、米国でアートを推進するNPO法人「Americans for the Arts」が主催する、「BCA pARTnership Award」の17年の大賞に輝きました。この賞は、企業とアート施設との卓越した連携プロジェクトに対して贈られるものです。

また、美術館の運営には、その地域のさまざまな人や企業、団体が関わっています。MoMAやテート・モダン、ボストン美術館やMACBAのように地域を代表する美術館であれば、関わる相手も社会的地位のある人や団体ばかりです。

そうした美術館と一緒に仕事をすることで、ユニクロが地域社会の一員として認めてもらえることにつながります。ユニクロのブランドや店舗への認知度や信頼度も高まり、その地でビジネスを進めていくうえで非常に大きな意味を持つのです。

最終回は、ジョン・ジェイや佐藤可士和、元『POPEYE』編集長の木下孝浩などのクリエイターが、ユニクロに何をもたらしたのかを聞く(3月15日公開)。

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構成=萱原正嗣 写真=アーウィン・ウォン

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