2000人の米国人を対象とした直近の調査で、多くの人々がBOPISを選んでいることが明らかになった。昨年末のブラックフライデーでは、73%の人々が店での待ち時間を回避するためにBOPISを利用していた。
郊外のモールや大型施設内の店舗は、Eコマースに顧客を奪われることを懸念してきた。しかし、BOPISの普及により、リアル店舗は新たな機会を得ることになった。BOPISは「クリック&コレクト」とも呼ばれている。
クリック&コレクト形式の買い物をする消費者の85%が、商品のピックアップのために店を訪れた際に、その場で別の商品を購入すると回答した。この事実は、Eコマースとリアル店舗が共存可能であることを示している。また、今後さらに良い関係を築ける可能性を示唆している。
「ここ数年で、クリック&コレクト型の消費は小売り分野で大きな伸びを示している」と、調査を主導したマーケティング企業DoddleのCEOのTim Robinsonは述べている。
「顧客はオンラインショッピングの利便性に魅力を感じている。しかし、店舗での受け取りを選ぶことで、配送の待ち時間を減らし、送料を節約できる点が新たな魅力となった。このトレンドで、買い物の在り方に変化が訪れようとしている」
クリック&コレクトの利用者の半数が、送料を節約できる点がありがたいと回答した。また、ほぼ同数の人々が迅速に商品を受けとれる点に魅力を感じており、28%が一般的なEコマースよりも利便性が高いと回答した。
回答者の45%が、ディスカウントが提供されれば、今後はさらにクリック&コレクト形式の購入を増やすと答えた。また、当日の受け取りが保証されれば、さらに購入アイテムを増やすと回答した人の割合も37%に及んでいた。
「クリック&コレクトはまだ、普及の初期段階にあり、今後の巨大な可能性を秘めている」とRobinsonは話している。「小売店は数十年に渡り、店舗とEコマースをつなぐ方法を考えてきたが、クリック&コレクトの利便性やお得感を高めることで、ビジネスに新たなイノベーションをもたらすことが可能になる」
一方で、先日はアマゾンが米国で展開中のポップアップストアを、今年の4月までに閉鎖するというニュースが流れた。背景には、アマゾンが顧客との接点において新たな実験を進めていることがあげられる。アマゾンは米国の主要都市で、Eコマースの配送先として指定できるボックスの「アマゾンロッカー」の設置を進めている。