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過去5年間に発生した最悪レベルのハッキング事件の背後には、北朝鮮の政府系ハッカーの存在が指摘されている。北朝鮮のハッカーらは非常に高度なスキルを持ち、ハッキングから莫大な利益をあげている。

先日公開された、国際連合安全保障理事会の専門家パネルによる報告書によると、平壌のハッカーたちは約6億7000万ドル(約750億円)相当の外貨や仮想通貨を、不正な手段で入手したという。

2016年に報道されたバングラデシュの中央銀行のハッキングにも、北朝鮮ハッカーの関与が指摘され、彼らは8100万ドルを強奪したとされる。2018年にはインドの銀行Cosmos Bankがハッキングされ、1350万ドルが奪われた。また、今年に入り同じハッカー集団がチリ銀行のATMに攻撃を仕掛け、1000万ドルを盗み取ったとされている。

北朝鮮のハッカーは、世界中の仮想通貨取引所を標的にすることでも有名だ。セキュリティ企業Group-IBは、昨年発生した仮想通貨取引所のハッキングの約65%が、北朝鮮によるものだと推定している。2017年1月から9月までの期間のハッキング被害額は、5億7000万ドル(約635億円)に及ぶと見られている。

ハッキングから得られる資金が、金正恩政権を潤していることは明らかだ。北朝鮮に厳しい国際的制裁が下されている中で、ハッキングは貴重な外貨の入手手段となっている。

仮想通貨の利用の世界的広まりは、北朝鮮に大きなチャンスを与えることになった。仮想通貨の取引は多くの国で、当局の管理下に置かれておらず、北朝鮮に対する制裁も効力を及ぼさない。また、仮想通貨のトランザクションの追跡が極めて難しいことも、北朝鮮ハッカーに有利な材料となっている。

ならず者国家やサイバー犯罪者らは、当局の目の届かない場所に莫大な資金を溜め込んでいる。北朝鮮が不正な手段で資金を入手するのは、真新しいニュースではない。北朝鮮政府は数十年にも渡り、犯罪活動で利益をあげてきた。

1970年代後半から2000年頃までに、20名以上の北朝鮮政府の高官が薬物の密輸に関わったと指摘されている。また、2001年頃から北朝鮮は薬物の製造に注力し、それらを犯罪組織に供給することで利益をあげるようになった。さらに、他国の通貨を偽造することでも北朝鮮は資金を獲得している。

編集=上田裕資

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