ビジネス

2019.03.12 12:00

TikTokに広告を奪われた中国検索大手「バイドゥ」の苦戦


検索結果に偽のがん治療薬を掲載し問題に

バイドゥは自動運転分野においても市場のリーダーを目指し、中国政府から自動運転車のテスト走行に関する50件の許可を取得した。また、VOLVOや中国第一汽車集団と自動運転車の製造に向けたパートナーシップを締結した。バイドゥのAI関連の売上は、2018年第4四半期に22%増となり、39億6000万ドルに達している。

しかし、バイドゥは今後も慎重な取り組みを行う必要がある。テンセントやアリババと比較して、バイドゥは検索エンジン利用者から大きな批判を浴びるケースが多い。2016年には、バイドゥの検索結果に表示されたがん治療薬を服用した21歳の学生が、死亡する事件が起きた。

また、今年1月には中国の著名ジャーナリストのFang Kechengが、バイドゥのニュースサイト百家号(Baijiahao)に質の低いニュースが掲載されていると批判して騒動になった。バイドゥはその後、百家号に掲載するニュースの品質を向上させると宣言した。

「バイドゥは今、広告主に対してより注意を払うようになり、偽の情報についても神経を尖らせている。しかし、バイドゥのブランドイメージが中国の競合と比較すると、低下しているのは明らかだ」とPacific EpochのFengは述べた。

編集=上田裕資

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事