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2019.03.15 07:30

2000億円の投資を受けたアマゾンイタリア、トップに聞く。ECは既存小売業の「永遠の敵」か?

マリアンジェラ・マルセーリャ。コンサルティング会社とユニリーバでの経歴を経て、アマゾン・イタリアに、そのローンチ前に入社。

アマゾンがイタリアに上陸したのは2011年のことだ。イタリアは歴史的に家族経営の中小企業、とりわけ小企業の割合が高い国であるだけに、大企業が参入する際の反発は他国に比しても強かったという。デジタル文化の普及発展が他国に比して遅い、といわれるゆえんでもあるようだ。

そのイタリアでのサービス開始。オンライン・リテールジャイアント、アマゾンはどのように迎えられたのか? 

「Amazon.it」のスタートアップ前から同社に在籍するアマゾン・イタリアトップに「フォーブス・イタリア」がインタビューした。許諾を得て翻訳転載する。

自らのジェンダーアイデンティティーに立った社会活動も

「私はイタリアのアマゾンで一番の古株です」

ウォール・ストリートで時価総額1兆ドル(2018年9月現在)を超えるeコマースの大御所企業、アマゾン。マリアンジェラ・マルセーリャは2010年から同社に在籍する。2018年6月、カントリーマネージャーに就任した。

アマゾンとイタリアの関係について。その経済的な影響力について、そして、この大企業への理解が文化的に欠けている現状について、これほど最適な語り手はいない。

彼女は、コンサルティング会社、そして日用消費財メーカー「ユニリーバ」での経歴を経て、当時まだイタリア版のウェブサイトが存在しなかったアマゾンに入社した。シアトル本社で経験を積んだのち、イタリア、フランスのロジスティクス分野での責任者、およびヨーロッパにおける「PrimeNow」プロジェクトの責任者となる。

「いい人であることをあきらめなくても、リーダーでいることはできる、それをアマゾンで学びましたね」

彼女は、フォトジャーナリズムに情熱を注ぎ(中国、そしてブラジルでルポルタージュの著作を刊行している)、現在はスペインの責任者も兼任しているため、スペイン語の勉強にも余念がない。

また、ジェンダー論の社会的要因に注目し、とくに性別のダイバーシティを強く支持する人物でもある。彼女は言う。

「トランスジェンダーの問題は、私自身の生活に関わることなんです。7年間、ある女性と人生をともにしていて、今年結婚しました。7月には、息子も授かりました」

(注:イタリアでは2016年6月5日以降、同性間カップルのシビル・ユニオン━━法的に承認されたパートナーシップ━━が認められ、同性カップルが異性カップルとほぼ同等の法的保護を与えられている。ジェンダー・ニュートラルなパートナーシップも、大統領署名によって法的に認められている)。

──マルセーリャさんは2011年にはもうアマゾンに入社されていましたよね。当時のイタリアでのアマゾンへの懐疑的な反応については、どう記憶していますか。

単に懐疑的というだけではなかったですね。とくに小売業に従事していた方々から、非常に強い、否定的な反応がありました。市場にIT技術が参入するのを懸念していたんですね。

その頃すでに、50万人以上のイタリアのカスタマーが、アメリカやイギリスなどのアマゾンのウェブサイト上で、母国語ではない言語で商品を探し、手元に届くのに時間がかかってでも、購入している状況がありましたから。

──現在のイタリアでのアマゾンの状況を教えてください。

現在は、ミラノに本拠地があり、ほかに3つの物流センター、「PrimeNow」専用の物流センター、11の倉庫、商品仕分け配送センター、そしてカスタマーサービスセンターがあります。

──従業員数は?

2018年末時点で、正社員は5200人を超えます。イタリアでは今年(2018年)になって、新たに1700人を採用しました。2016年の初めには従業員は2000人でしたから、それに近い人数を採用したわけです。エンジニアからソフトウェアの開発、倉庫管理まで、あらゆる経験と知識、能力をもった人材を集めています。
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翻訳=大村紘代 編集=石井節子 写真=Forbes Italia提供

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