MMRワクチンは自閉症リスク? 「反ワクチン」派が世界に及ぼす脅威

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私たちの祖父母がはしかにかかって死亡することがなかったとしても、これは単なる無害な子供の病気ではない。フィリピンでははしかの流行で200人以上が死亡。感染者数は1万400人を超えている。

MMRワクチンが手ごろな料金で摂取できる国で、子供にそれを受けさせない科学的に正当な理由はない。だが、いまだに「地球平面論」を信じる人がいなくならないのと同じように、今回の新たな研究結果の発表を受けても、自閉症とMMRワクチンの関連性を信じて疑わない人はいなくならないだろう。

そうした人たちに、MMRワクチンを接種してもらうためにはどうすればいいのだろうか?がんの子供がはしかで死亡する例があればいいのだろうか。イタリアではすでに、がんで生存率が約90%とされていた男児が、はしかに感染して死亡したことが報じられている。

地球が平面だと信じる人はほとんどが、愉快で他人に害を及ぼすことがない人たちだ。だが、子供のワクチン接種を拒否する人たちは、当然ながらそうではない。世界保健機関(WHO)は人類の健康にとっての今年の10大脅威の1つとして、ワクチンの接種を受けないことを挙げている。

私が恐れるのは、がんと闘う子供が「反ワクチン」運動を支持する誰かのおかげで死亡したことを記事に書く日がくることだ。私が子供のころにこの活動が今のように広まっていれば、私はこの記事を書いていなかったかもしれない。

編集=木内涼子

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