ビジネス

2019.03.12

海外で活躍する知られざる日本の企業|Vol.2 #スモールジャイアンツ

イラストレーション=ブラチスラフ・ミレンコビッチ/シナジー・アート


丸新志鷹建設 ──現地政府も信頼する土木・建設技術

富山県中新川郡の建設業者。本拠地の立山町芦峅寺とネパールのクムジュン村との地域間交流をきっかけに、1992年カトマンズ支店を開設。同国から研修生を日本に受け入れて教育し、現地に戻り働いてもらう手法をとっており、地域の雇用や技能の向上に貢献している。こうした活動に加え、仕事のきめ細かさ、仕上がりの美しさなど、現地で競合となる中国企業や地場企業にはない技術力が高く評価され、着実に実績を伸長。同国の政府当局からも厚い信頼を得ている。

2008年以降は、給水事業や灌漑事業など、国家プロジェクトを次々と受注。近年では、ネパールでの実績を聞きつけ、隣国ブータンからも道路建設などを受注している。

音羽電機工業 ──雷多発国を救う専門集団

避雷器の製造販売からコンサルティングまで、総合的な雷対策のサービスを提供している。

2015年にインターンシップで迎え入れたルワンダ人留学生から雷害の深刻さを知ったことがきっかけで、現地に調査団を派遣。雷対策に乗り出した。同国は世界で最も雷の発生件数が多い地域のひとつで、落雷による死傷者は年間で約60名に達する。PCや通信機器の故障も頻発。音羽電機工業は、避雷器の導入や雷対策を施したセーフハウスの設置、雷発生を検知するセンサーの導入などを進めてきた。

これまで約20名の現地エンジニアを日本で教育するなど、ノウハウ委譲にも努める。今後は、ルワンダに加え、アフリカの他地域でも、広範囲な雷対策に力を注いでいく。

文=フォーブス ジャパン編集部

この記事は 「Forbes JAPAN ニッポンが誇る小さな大企業」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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