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世界38カ国、800万人が愛読する経済誌の日本版

イラストレーション=ブラチスラフ・ミレンコビッチ/シナジー・アート

海外に影響を与えているのは大企業だけじゃない。経済産業省の協力を得て本誌編集部が選出した指折りの企業を紹介しよう。(Vol.1はこちら


岩鋳 ──伝統と現代が融合した南部鉄器

明治35年創業の南部鉄器の老舗メーカー。鉄瓶や急須といったオーソドックスな南部鉄器だけではなく、鋳物製の鍋やフライパンなども手がけており、その過半数は、代理店を通じて海外で販売されている。

日本の家庭で見かけることが少なくなった南部鉄器だが、岩鋳は1996年から本格的に海外進出しており、現在は20カ国で同社製品が使用されている。とくに欧州では認知度が高く、「IWACHU」は現地のお茶愛好家の間で南部鉄器の代名詞となっている。

鋳物ならではの質感や堅牢さといった伝統を守りつつ、現代に合ったデザインや機能性を加えて、新しい南部鉄器を生み出していることが特徴。例えば、主力の急須は、昔ながらの黒一色ではなく、赤や青、緑など色彩豊かなラインナップを用意している。デザイン面も、注ぎ口が細長く楕円状のものなど、工夫がされている。こうした伝統と現代の融合が、日本の伝統工芸を海外に広める要因となった。現在は、欧州に加え東南アジアなど新興国への展開に注力している。

小杉造園 ──金メダル級の造園師が手がける日本庭園

日本庭園を海外に広めている。国内の造園市場が陰りを見せるなか、小杉造園は、会社の存続には職人の技能と社会的地位を向上し、世界で通用する造園業者になることが必要と判断。

熱海に研修所を設け職人を育成し、2007年の技能五輪国際大会 造園部門で金メダルを獲得した。日本勢初の快挙だ。その後、アジア圏の造園業者では唯一となるヨーロッパ造園建設業協会に加盟。これを機にアゼルバイジャン政府から同国初の日本庭園を受注した。以後、バーレーンやジョージアなど10カ国に進出。中米では、ドミニカ共和国第二の都市サンティアゴの植物園への貢献によって、代表取締役の小杉左岐氏が名誉市民となった。

社員育成に余念がなく、100人ほどの企業ながら毎年約50人を海外研修に送り出している。海外の造園職人も熱海研修所に受け入れる。キューバでは、19年にカストロ前議長の実子であるアントニオ・カストロ氏などと共同で職人の教育学校を開校する予定。

文=フォーブス ジャパン編集部

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