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2019.03.11 12:35

海外で活躍する知られざる日本の企業|Vol.1 #スモールジャイアンツ


東和電機製作所 ──「シャクリ」を自動化するイカ釣りロボ

世界シェア70%を誇るイカ釣り機メーカー。1984年に販売を開始した「全自動イカ釣り機」は、漁師の勘と経験をデジタル化し、マイコン制御によって自動化を実現した。

船上に設置された最大64台のイカ釣り機をブリッジにいる船頭一人でコントロールでき、ワイヤの巻き上げを行う「ドラム」の回転を制御することで、疑似餌を小魚に見せ獲物を引きつける「シャクリ」という漁師の熟練技術を再現。世界のイカ釣り漁業に革新をもたらした。少人数でも高効率な収穫が可能なため、漁業の人手不足を補う役割も果たしている。

開発チームを実際の漁に同行させるなど、現場主義を貫き、漁業関係者の声を反映させて製品を改良しているほか、海外の顧客からのリクエストにも即座に応じ、現地に駆け付ける徹底的なアフターサービスによって、顧客の信頼を獲得。現在は中国や韓国、オーストラリアなど世界30カ国以上で同社製品が使用されている。このほか、漁船の燃料コスト低減を実現する「LED漁灯」なども手がけている。

西山製麺 ──地域の食文化を海外に伝承

北海道・札幌の製麺会社。麺類やスープなど800品目を製造販売している。同社が開発した太くこしのあるちぢれ麺「西山ラーメン」は、札幌ラーメンの原点として、日本全国で広く採用されている。

海外には1975年に製品出荷を開始。ドイツと米国に現地法人を有し、現在は30カ国・地域に輸出している。現地の食文化に対応したラーメンの開発に力を注いでおり、2014年には、ドバイ政府から国内販売の許可登録を得て、豚肉やアルコールを使用しないハラル対応の麺やスープ、調味料などの提供を開始した。

自社の製品を輸出するだけでなく、国内外でラーメン店の開業を指導する取り組みも推進している。調理の実習やレシピの作成、厨房のレイアウトや販促など総合的に支援。海外で高まっているラーメン人気を追い風に、地域独特の食文化である「札幌ラーメン」を世界に浸透させようとしている。ドイツ・デュッセルドルフの「ラーメン匠」は、行列のできる店として現地の人々に支持されている支援先の成功例だ。

文=フォーブス ジャパン編集部

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