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2019.03.11

採用担当をうならせる履歴書の書き方とは。外資系人材を語る数字「69%」に学べること

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その時々に興味のあるポジション、チャレンジを求めることで、結果的に企業をまたいだ異動になるということかもしれない。終身雇用の文化は終わった、と言われながらもまだまだ危機感の低い日系企業社員に比べて、外資系企業社員は、履歴書の価値を上げ続け、チャンスがあった時に飛びつける人材でいたいという意識が高い、ということだろうか。

そういえば、筆者自身の外資系企業勤務時代の優秀な同僚数人も、履歴書を常にデスクトップに置いてアップデートしていたことが思い起こされる。かたや筆者の夫(転職経験のない日系企業勤務)など入社以来、履歴書をいじったことがないらしい……。

採用担当をうならせる履歴書の書き方とは

それでは、チャンスがあった時に飛びつける、「強い」履歴書はどうすれば書けるのか。ロバート・ウォルターズ・ジャパンITディレクター、友和ベッゾルド氏に教えてもらった。

「たとえばIT人材の場合ですが、気をつけなければならないのは、経験やスキルが『古びて』見えないようにすること。とにかくアップデートしてください。強調するべきは、とにかく直近のスキル、資格、技術、関わったプロジェクトなんです。

探しているポジションとは関係ない経歴やスキルについては、思い切って割愛すること。そのことで、重要スキルを強調することができます。

たとえば、10〜15年前はウォーターフォール型開発をやっていたデベロッパーの場合。今の主流はアジャイルですよね。その場合、ウォーターフォールの経験は履歴書に書く必要はない。直近のアジャイル開発だけを書くべきです。

この仕事をしていてとにかく感じるのは、これまでに関わった、学んだ、使ったすべての技術をすべて盛り込もうとする人が多すぎるということ。過多な、必要のない情報は履歴書を弱く、薄くしてしまうんです」

職場の「外」に説明が効く人材たれるか?

ベッゾルド氏によれば、転職に慣れている外資市場の人材でさえ、とかく自分については「あれも、これも」と欲張りたくなるようだ。とにかく自分の情報を「アップデート」してスリムにし、強みを強調していくこと。これはおそらく、外資企業社員、内資企業社員を問わず採用してよい共通戦術だろう。

「共通」といえば、現状の外資企業はもしかすると単に、日系企業の未来を体現しているだけかもしれない。日系企業が世界で通用したいと思うなら、給与体系もこれから「外資」のそれに近づいて行くはずだ。

さらに、現役時代の経験・スキルをフェアな価格で「買い取って」もらえるシニア人材になるには━━ならびに、世界水準のフェアな給与条件の元で活躍するためには、英語ができること以外に、今の職場の「外」に説明が効く人材として仕事をしてきたかどうかが大きなポイントになるのではないだろうか。

そういう「未来の日系企業」で働く日本人たちの意識も、変わっていくのかもしれない。彼らの職場PCのデスクトップに、常にアップデートされた、そしてスリムな履歴書が置かれる日もそう遠くはなさそうだ。

文=石井節子

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